親の「ひと言」が引き金?中学受験のカンニング
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・デキる子でもやるカンニング
・塾がカンニングを咎めない理由
・「どうしてできないの」の結末
・ 成績改善へ遠回りが一番の近道
デキる子でもやるカンニング
塾の宿題の答えを丸写し――。中学受験では珍しいことではありません。
極端な話をすれば「みんなやっています」というのがほんとうのところかもしれません。成績の良い生徒でも、宿題に追われてやってしまうことがあります。
まして苦手科目や偏差値が50に満たない子は、宿題の多くが「ちんぷんかんぷん」なんてこともあるので、「解答カンニング」という「誘惑」に勝てません。
算数の計算過程、国語の記述問題が模範解答とほぼ一緒、なんていうケースは中学受験「あるある」のカンニングの可能性が高いです。
塾側もカンニングをしていることは「百もお見通し」です。
だからといって咎めることは、ほとんどありません。
「出資元」である親御さんからの要請で注意することはあっても、人前で叱責したり、恥をかかせてお灸をすえるなどの「劇薬」は滅多なことがない限り使用しません。語弊があるかもしれませんが、小テストでのカンニングも見て見ぬふりです。
丸写しを強く叱ると、最近の生徒は塾を辞めてしまうことも多々あります。そうなると塾にとって定期的にお金を落としていってくれる大切な「お客さん」を失うことになります。
進学塾は公立の小学校と違って利益を追求しなければなりません。進学塾が「顧客」を失うようなことは進んでするわけがないのです。
親御さんにカンニングの「ご報告」をしても、最近は「うちの子がそんなことをするはずがない」と信じようとはせず、逆に「何の証拠があって」と塾側を非難するケースも珍しくありません。
「どうしてできないの」の結末
それでも我が子の「解答丸写し」は親御さんにとっては大問題です。やめさせる方策を講じなければなりません。
その前に親御さんが胸に手を当てて考えてほしいことがあります。それは「テストの結果やできないことで怒ったり、小言をねちねちと言うことはありませんか」ということです。
子どもがなぜ解答を丸写しするかと言えば、「問題に向き合うのが面倒くさい」というのも多分にありますが、間違えていること、できないことで「親にガミガミ言われるのが嫌」、というのが大きな理由です。
これがテストでカンニングを日常的にやる子どもにも共通の心理です。
テストの答案を見た時、成績表の偏差値を見た時、「どうしてできないの」「この成績は何なの」とか思わず言っていませんか。
そう言いたくなる親御さんの気持ちはよくわかります。 しかし、子どもにとっては今やっている勉強内容が分からないから、自力でどうにかしようとしてもどうにもならないから、親御さんの叱責を避けるために丸写し、カンニングに走るのです。
成績改善へ遠回りが一番の近道
解決策としては「どうしてできないの」「この成績は何!」など、子どもを追い詰める言葉を発しないことから始めます。
代わりに言う言葉は「こことここはよくできているね。頑張ったね。間違ったこと、できないことは悪いことじゃない。これから取り組むことが見つかったということ。チャンスなんだよ。さあ、一緒に考えよう」です。
テスト直しや宿題の取り組みを見直すことも大切ですが、一番やってほしいのは丸写し、カンニングをするに至った道のりをさかのぼって、その出発点から地道にやり直すこと、つまり「分からなくなった地点まで戻る」ことです。
「時間がない」「そんなことをしていたら受験に間に合わない」という声も聞こえてきそうです。しかし「遠回りが一番の近道」です。
目の前の問題ができないのは、その問題が分からないのではなく、それより前にやったことの「わからないの積み重ね」のケースが大半です。
目の前のできていない、分からない問題の解法だけを教える「対処療法」では、理解したような気になっただけで、自力で解答再現ができないままの状態は変わらず「根治治療」にはなりません。
「根治治療」によって、別の問題の解決に至ることも多々あります。「戻る勇気」が成績改善、カンニングをせず自力で解く力につながります。
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