残念な中学受験を避ける 親の「2つの力」

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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・「ウトい」は都合のいいお客さん
・塾は「食材提供」家庭で「調理」
・現状把握の「客観的分析力」
・塾生活を決める親の「外交能力」
・残念な中学受験にしないために

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「ウトい」は都合のいいお客さん

「中学受験は親の受験」「中学受験は9割が親」などと言われます。

半分は正解で、半分は違います。

主役はあくまで子ども、受験生です。親御さんがどう頑張っても、どんなに環境を整えても、子ども自身が真正面から挑まないと、扉は開きません。

一方で中学受験参戦を決意した親御さんが、その世界にあまりにも「ウトい」、というのは残念な結果を招くことが多い傾向です。

親御さんが受験について「知らない、分からない」という姿勢で「全て塾にお任せ」の「丸投げ受験」では、お金だけ定期的に運んでくれる、教育産業にとって都合のいい「お客さん」になってしまう可能性が高くなります。

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塾は「食材提供」家庭で「調理」

多くの親御さんが進学塾は「成績や偏差値を上げてくれて、志望中学校に合格させてくれる」ところという認識です。

しかし、それは進学塾の本質ではありません。

進学塾は「受験する学校に合格するための教材と学習ノウハウを授業を通じて子どもたちに授け、希望する保護者には有益な情報と受験戦略立案ためのアドバイスを提供する」ところというのが正しい認識です。

料理にたとえるなら、塾は代金に応じて教材、授業、情報、システムなど「食材」と「おいしくなる作り方、食べ方」を提供し、宿題、復習という家庭学習で子どもは腕を磨き、入試当日に鍛えてきた技量を披露して「おいしい」となれば「合格」です。

塾で行う小テストや月例テスト、模擬試験は、いうなれば「調理実習」や「コンテスト」のようなもの。自分の調理法、味付けでおいしく食べられるかどうか、「偏差値」という客観的な数字で判定してもらうといった位置づけになるでしょう。

新鮮な、上質な食材を提供してもらっても、シェフ(子ども)が残念だとおいしいごはんは作れません。

塾はシェフの腕を上げるお手伝いをしてくれますが、いくら良いアドバイスをしてもシェフ自身の関心、学ぼうとする貪欲さがなければ…です。

家庭でも宿題という「もらった食材をいろいろな調理法で食べられるようにする」試みをしなかったり、復習せずに「食材を腐らせてしまう」ようなことを続けていれば、一向に上達はしません

現状把握の「客観的分析力」

中学受験は塾の本質を知ったうえで、親御さんに求められるのは「客観的分析力」と「外交能力」です。中学受験はこの2つの能力次第で結果が大きく変わってきす。

「客観的分析力」とは、学習面で言えば、子どもの現時点での学力や成績を点数や偏差値といった表面に現れた数値だけでなく、塾で行う各種テストの答案やテキストの演習問題を解いたノートなどから現状の学力分析を冷静にできる力になります。

専門家ではないので細かく分析する必要はありませんが、「今この子はどういうことができていて、どういうことにつまずいているのか」などを把握することです。

メンタルや体調も含め、しっかり子どもの状態を観察、把握する力と言ってもいいでしょう。

これを知ったうえで、親御さんが学習サポートすべきと判断した場合は、親が教える「親塾」など具体的行動に出ます。

忘れてはならないのは冷静さ。できないことにイライラし、感情を爆発させたりしないことです。

わが子だとつい「どうしてそんなことが分からないの!」「何度言ったら分かるの!」「バカじゃないの」などの暴言を浴びせてしまいますが、百害あって何とかです。

「中学受験成功」というミッション、仕事だと思って冷静に、どうすればより良い流れになるかだけを考えます

塾生活を決める親の「外交能力」

しかし、「親塾」ができる親御さんばかりではないというのが現実です。そこで、もう一つの「外交能力」が必要になってきます。子どもの学力をある程度分析したうえで、塾の先生や家庭教師を「利用」します

塾は向こうから手取り足取りの指導はなかなかしてくれません。逆にこちらから一歩踏み込むと、きちんと相談に乗ってくれます。

ただし、踏み込み方にもコツがあります。

子どもの現状を客観的に把握し具体的な質問ができる親御さん、聞き上手(聞く耳を持っている)の親御さんには、かなり突っ込んだアドバイスをしてくれます。「この人、中学受験を勉強しているな」と思わせると、先生からの回答は全く違ってきます。

塾の先生に相談する際、漠然と「ウチの子、勉強がデキないんです。どうしたらいいでしょう」ではなく、「国語の読解、特に物語文で人の気持ちが読み取れないようなんですが」とか「図形の問題でどうもイメージができないようなんですけど」など具体的な質問をします。

そのために親御さんには子どもの学習の現状を「客観的に分析」してもらうのです。

相談をきっかけに先生が子どものことを気にしてくれます。これは普通に通塾しているだけの子と大きな差です。

塾側とは密に連携をとる、これが中学受験成功の秘訣です。

丸投げとは大きな違いが出ます。先生に直接会って相談するのがベストですが、メールでも電話でも、あるいはzoomを使ってでも、アクションを起こせば「現状打破」の一歩につながります

残念な中学受験にしないために

親御さんが気ばかり焦り、新しい教材を与えてみたり、個別塾に安易に頼ったり、腰が落ち着かないのは中学受験では良い結果につながりません

認識不足や独善的な思い込みで「親塾」を展開しても成績はなかなか上がりません。

その結果、思い描いていた中学受験とは大きくかけ離れた残念な形に終わり、後悔する親御さんをこれまで何人も見てきました。

そうならないためにも、子どものことをよく認識すること、親御さんも客観的に中学受験を勉強することが必要です。

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