圧勝?惨敗?中学受験「マウンティング」する子
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・ 危険な「意地っ張り、マウント」
・ マウントをとる子も「つらい」
・素直になることは「負け」
・過程を認めると「流れ」は変わる
危険な「意地っ張り、マウント」
中学受験で成績が伸びやすく、第1志望合格の可能性の高いタイプは「素直な子」です。
分からない、できないことに素直に認めてこれと向き合い、伴走する親御さんや先生に質問するなどしてコツコツと「できない、苦手」を「自力でできる」に変えていきます。
加えて、授業で新たな発見があれば驚き、もっともっと「知りたい」となります。そこから勉強が深まっていき「引き出し」が増えて、学力に厚みが増します。
逆に地頭はいいのに、第1志望に合格しにくいタイプが「意地を張る子」です。できない理由を別に探してこれを素直に認めず、自分のやり方に固執、結局はどうにもならなくて苦手を放置するので最後に「困った」に陥りやすくなります。
成績が振るわない子を見下し、自分がいかにできるかを聞いてもいないのに強調する子、いわゆる「マウントとる子」も最終的に第1志望に合格する可能性はそれほど高くありません。
マウントをとる子も「つらい」
「オレ偏差値65、お前いくつ?」「あんなしょぼい塾に行っているやつはバカばっかり。受験するだけムダ」――。
小学校で四六時中塾の話をして、マウントをとるタイプの子は、割と成績のいい子が多いです。マウントしてくるくらいですから、中学受験のメインディッシュ・算数に自信を持っています。
しかし、総合成績で見ると穴だらけということも少なくありません。
算数をゲーム感覚でやる代わりに、他教科には関心がないというのが典型的。人の気持ちを読めない(だから幼稚にマウントしてくる)、共感できないので、国語の読解では「自分勝手に」読み苦戦します。
理科はそこそこできますが、社会と同様一問一答式は強いけれど、正誤問題や思考力をわれると早とちりや思い込みが強く、失点を積み重ねます。
マウントをとる子の傾向として「親御さんから偏差値、成績のことで強いプレッシャーをかけられている」という「背景」が見られます。子どもにしてみれば。これは重圧で、ストレスがたまる原因になります。
そのはけ口、現実から目を背けたいがために、自分より成績が劣っている子、おとなしい子らをターゲットに「大言壮語」して、心のバランスをとっているのです。正当化はできませんが、彼らも「つらい」のです。
素直になることは「負け」
マウントをとる子は、なかなか素直な気持ち、謙虚な姿勢になれません。弱みを見せることが大嫌いだからこそ、マウントして相手より優位な立場にいる(と思っている)ことで気持ちのバランスをかろうじて保っています。
素直になってできない科目や単元をじっくり取り組んだり、先生に質問したり、やり方を変えてみるということは「負け」という思いが強く、そうした方がいいことは百も承知なのに行動に移せないのです。
親御さんもどちらかというと「気が強い」タイプが多く、「人より少しでも前へ」という姿勢です。テストの中身より、表面の点数、偏差値で判断しがちで、地に足を付けて苦手を克服という思考回路になかなかなりません。
入試は得意の算数勝負。国語は「出たとこ勝負」。ハマれば勝てますが、算数が思ったほどさく裂しない、簡単で差がつかなかった場合は、苦しい展開となります。
算数の「一本足打法」の子の入試結果は「圧勝」もありますが、「惨敗」もかなりの数に上ります。
ここは合格したけど、あそこは…という凸凹が多いのも「算数小僧」の特徴。算数が苦手だと中学受験は確かに苦戦しますが、逆に算数頼みだけでも中学受験は勝てないのです。
過程を認めると「流れ」は変わる
「マウントをとる」子は、一度大いに認めてあげることで「流れ」を変えるきっかけをつくることができます。
「算数すごいよね。誰も君に勝てないよ。マジ、神だわ」などとプライドをくすぐります。気分を乗せたうえで「神なら国語もできるよね。でも、この漢字の間違い、神らしくないなぁ」などと言ってみます。
次のテストでは点数に関わらず「おっ、難しいのができてるねぇ。いいね。でも、君ならもうちょういいけるよね」と少しずつハードルを高くします。「何点取らなきゃ不合格」ではなく、できるようになっていく過程、取り組んでいる過程を評価します。
マウントする子、虚勢を張る子は親御さんや周囲から「認められていない」という感情が強く、そのためにマウントすることで自分を大きく見せる、自己防衛の本能が働きます。
プレッシャーから解放し、認めてあげることでマウントもしなくなり、苦手にも目が向くようになります。
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