24年 男女御三家の動向とみんなの併願校
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・開成は志願者減 併願校は多彩
・桜蔭補欠出しても繰り上げなし?
・1割減…麻布、武蔵の併願校特徴
・前年並みのJG、雙葉 併願は…
開成は志願者減 併願校は多彩
2月1日解禁の東京・神奈川の入試で、多くの中学校がギリギリの1月31日まで、中には2月1日の朝まで出願を受け付けています。
一方で東京の男女御三家はすでに応募を締め切りました。
この6校をトータルで見ると、24年度の志願者は「微減」でした。6校の全体の志願者数は4329人で、前年より5%減(209人減)となっています。
男子御三家の筆頭格・開成は1259人が出願。23年度は前年比7%増(73人増)でしたが、24年度は一転して%減(30人減)となりました。
高校棟を中心にエントランスなど新校舎が完成し、志願者増が見込まれましたが、それだけが理由で2月1日にチャレンジするレベルではなく、今年の中学受験全体の傾向である「安全志向」の影響もあったように感じられます。難易度は例年通りで変化なしです。
数年前まで実質倍率3倍前後、募集300人に対し、合格者数は400に届かないというのが開成の「典型的」な入試でしたが、22、23年は倍率が2.5倍、2.8倍で推移。合格者も連続して400人を超えた上に、追加合格も出しています。
以前より間口が若干広がったにもかかわらず、志願者が減っているのは首都圏私立最難関の「壁の厚さ」ゆえかもしれません。
併願校ですが、埼玉では栄東の東大特待が圧倒的。20日の千葉入試からの参戦も多く、渋谷教育学園幕張受験が5割を超えています。市川、東邦大東邦の受験組もいますが、市川の方が多い傾向です。
入試1週間前にあたる1月25日が試験の立教新座を「前受け」する男子も一定数存在します。
1日に開成を受験した後の併願パターンですが、1日午後に巣鴨の算数1科を受ける子もいますが、多くは2日に備えます。
2日は開成合格にある程度の自身があり、通学可能な子は神奈川・聖光学院へ、開成がボーダーの子は本郷の2回目へというのが主流派です。幕張と渋谷の渋谷教育学園系を選択するパターンも少なくありません。
3日午後の合格発表前には、筑波大駒場受験の子と早稲田、海城のそれぞれ2回目へと真っ二つに割れます。神奈川在住の子は浅野を受けます。
筑駒と開成W合格なら8割方筑駒へ進みます。開成残念、その他に合格校があるものの納得がいかなければ、4日の聖光学院2回目、5日の渋渋でリベンジです。
桜蔭補欠出しても繰り上げなし?
23年度入試で8年ぶりに志願者数が600人を超えた女子御三家の代表格・桜蔭は、その反動なのか24年度は前年比6%減(38人減)の591人の志願者数にとどまりました。
例年2倍ちょうどかそれに届かない実質倍率でしたが、23年は2.1倍。これも15年度2.3倍に近い久々の「激戦」ぶりでしたが、24年度は2倍か、それよりも低い実質倍率が予想されます。
22年は補欠合格候補29人中27人が「正規合格」に繰り上げとなりましたが、23年度は補欠合格候補は出しても、繰り上げ合格した気配がありませんでした。桜蔭は繰り上げ合格が多い年もあれば、皆無という年もあります。あまり大きな期待をすると…です。
1月に浦和明の星、市川、渋谷幕張などを中心に受け、1日の「本番」に備えます。2日は広尾学園の医・サイエンス、渋渋というコースもありますが、大半が豊島岡女子学園のほぼ一択で、合格発表を待ちます。
桜蔭が残念だった場合で豊島岡も…の時は、3日以降豊島岡に再チャレンジ。筑波大附属、慶應義塾中等部へと進路変更するケースも見られます。
1割減…麻布、武蔵の併願校特徴
麻布、武蔵の両校は志願者が1割ほど減りました。
麻布は前年比10%減(92人減)の826人が出願。武蔵は546人が出願し、前年比9%減(人減)でした。
麻布も武蔵も2年連続してダウン。麻布は900人台から800人台に、武蔵は600人台から500人台になりました。チャレンジ層が撤退したケースが大半とみられ、受験生レベルはむしろアップしている可能性が高いです。両校とも歩留まりは良いので、麻布2.5倍前後、武蔵は3倍強の実質倍率は例年通りとみられます。
麻布は2月1日午前入試の後、徒歩10分弱の広尾学園の2回目入試を午後受験として受ける子が一定数います。2日は本郷2回目、渋渋2回目、広尾学園の医進・サイエンスが多く、神奈川では聖光より問題形式が似ている栄光学園を受験します。
3日は早稲田2回目より海城2回目を受験する子が割と多く、神奈川在住の子は浅野一択。3日までで結果が芳しくなければ、4日の芝2回目に全力勝負です。
武蔵受験組は1月25日に立教新座を受けるのが比較的多いのが特徴の1つ。1日午後の巣鴨、世田谷学園の算数1科に出願している受験生も一定数います。
3日の武蔵合格発表を前に、2日は城北、本郷、桐朋の3つに併願校が分かれる傾向。高輪の算数1科(午後)や攻玉社という選択もみられます。
3日は海城2回目の志願者が多く、早稲田2回目の倍近くに。成城2回目、学習院中等科2回目とともに慶應義塾中等部を受ける子も、年によっては目立つこともあります。
前年並みのJG、雙葉 併願は…
男子御三家、桜蔭が志願者減なのに対し、女子御三家の女子学院、雙葉の2校はほぼ前年並みです。
女子学院は24年度入試の男女御三家の中で唯一志願者増となりました。23年度は減り幅で前年比9%減(69人減)と、御三家細大の減り幅となりましたが、今年は708人が出願。わずか1%増(8人増)ですが、7年連続700人台の出願となりました。
23年度は3年ぶり増加に転じた雙葉は399人が出願。厳密には2人減ですが、前年並みです。22年の実質倍率は2.9倍で、例年よりやや厳しい入試になりました。合格者がそのまま入学手続きをする「歩留まりの良い学校」ですが、昨年度は追加合格を6人出しました。
両校とも「前受け」は浦和明の星女子が定番。これに女子学院なら市川、渋山幕張、雙葉なら栄東A日程、淑徳与野を受験する傾向です。
桜蔭と同じく2日が合格発表の両校。雙葉の併願校としては、吉祥女子2回目、白百合女子学園が人気を二分。これに青山学院中等部、香蘭女学校が続きます。
女子学院の場合は2日に吉祥女子と豊島岡で7割強を占めます。神奈川在住の場合は洗足学園という作戦もありです。
結果が出なかった場合は、両校志願者とも3日の鴎友学園女子、5日の頌栄女子学院に軸足を移す傾向です。厳しい戦いになりますが、豊島岡の2,3回目入試にトライする層も少なくありません。
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