2024年4月28日 / 最終更新日時 : 2024年4月29日池ノ内　潤親御さんの役割

中学受験　残念にならないための親の｢2つの力｣

+11

◆中学受験の窓口　今日のメニュー
・｢ウトい｣は都合のいいお客さん
・現状把握の｢客観的分析力｣
・塾生活を決める親の｢外交能力｣
・残念な中学受験にしないために

｢ウトい｣は都合のいいお客さん

「中学受験は親の受験」「中学受験は９割が親」などと言われます。

半分は正解で、半分は違います。

主役はあくまで子ども、受験生です。親御さんがどう頑張っても、どんなに環境を整えても、子ども自身が真正面から挑まないと、扉は開きません。

一方で中学受験参戦を決意した親御さんが、その世界にあまりにも「ウトい」というのは残念な結果を招くことが多々あります。

親御さんが受験について「知らない、分からない」という姿勢で「全て塾にお任せ」の「丸投げ受験」では、お金だけ定期的に運んでくれる、教育産業にとって都合のいい「お客さん」になってしまう可能性が高くなります。

勉強そのものは子どもが頑張るとして、親御さんに求められる学習面での援護射撃は「客観的分析力」と「外交能力」の2つです。中学受験はこの２つの能力次第で結果が大きく変わってきす。

「客観的分析力」とは「現状子どもができること、困っていることを把握し、より実力を伸ばすことと改善への具体的行動を考える」ということになります。

子どもの現時点での学力や成績を点数や偏差値といった表面に現れた数値だけでなく、塾で行う各種テストの答案やテキストの演習問題を解いたノートなどから現状の学力分析を冷静に判断します。

専門家ではないので細かく分析する必要はありませんが、「今この子はどういうことができていて、どういうことにつまずいているのか」などを把握します。

メンタルや体調も含め、しっかり子どもの状態を観察するの「客観的分析力」に含まれます。

これらを把握したうえで、親御さんが学習サポートすべきと判断した場合は、親が教える「親塾」など具体的行動に出ます。

忘れてはならないのはここでも冷静さ。できないことにイライラし、感情を爆発させたりしないことです。

わが子だとつい「どうしてそんなことが分からないの！」「何度言ったら分かるの！」「バカじゃないの」などの暴言を浴びせてしまいますが、百害あって何とかです。

「中学受験成功」というミッション、仕事だと思って冷静に、どうすればより良い流れになるかだけを考えます。

しかし「親塾」ができる親御さんばかりではないというのが現実です。

そこで、もう一つの「外交能力」が必要になってきます。子どもの現状をある程度分析したうえで、塾の先生や家庭教師を「利用」します。

塾は向こうから手取り足取りの指導はなかなかしてくれません。逆にこちらから一歩踏

み込むと、きちんと相談に乗ってくれます。

ただし、踏み込み方にもコツがあります。

子どもの現状を客観的に把握し具体的な質問ができる親御さん、聞き上手(聞く耳を持っている)の親御さんには、塾側はかなり突っ込んだアドバイスをしてくれます。「この人、中学受験を勉強しているな」と思わせると、先生からの回答は全く違ってきます。

塾の先生に相談する際、漠然と「ウチの子、勉強がデキないんです。どうしたらいいでしょう」では効果的なアドバイスは期待できません。

「国語の読解、特に物語文で人の気持ちが読み取れないようなんですが」とか「図形の問題でどうもイメージができないようなんですけど」など具体的な質問をします。

そのために親御さんには子どもの学習の現状を「客観的に分析」する必要があるのです。

相談をきっかけに先生は我が子のことを気にかけてくれます。これは普通に通塾しているだけの子と大きな差です。

塾側とは密に連携をとる、これが中学受験成功の鉄則です。丸投げとの差はとてつもなく大きいです。

先生に直接会って相談するのがベストですが、メールでも電話でも、あるいはzoomを使ってでも、アクションを起こせば「現状打破」の一歩につながります。

親御さんが気ばかり焦り、新しい教材を与えてみたり、個別塾に安易に頼ったり、腰が落ち着かないのは中学受験では良い結果につながりません。

認識不足や独善的な思い込みで「親塾」を展開しても成績はなかなか上がりません。

その結果、思い描いていた中学受験とは大きくかけ離れた残念な形に終わり、後悔する親御さんをこれまで何人も見てきました。

そうならないためにも、子どものことをよく認識すること、親御さんも客観的に中学受験を勉強することが必要です。