中学受験 偏差値50前後 成績が落ち着かない理由

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乱高下激しい偏差値50前後
「何とかする」と「それまで」の差
「その日の気分」「ヤマ勘」 の成績
・「こう考えたんだけど」が第一歩

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乱高下激しい偏差値50前後

偏差値が50前後の生徒の真の実力は、とても「読みにくい」です。

例えば、4月の模試で総合偏差値42だったのが、6月は53に上がり「力が付いてきた」と喜んだのも束の間、7月はまた44と大幅ダウン、と「ジェットコースター」のような乱高下の成績推移となるのが、その典型です。

偏差値50前後の生徒の成績の乱高下は「出題された問題」「その時の気分」「ヤマ勘の当たり外れ」などが原因として考えられます。

本当の実力が付いておらず、毎回「出たとこ勝負」を繰り返しているのが偏差値50前後の生徒の実態といえます。 

「何とかする」と「それまで」の差

出題された問題によって成績が乱高下するのが、偏差値50前後の特徴の1つです。

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国語の読解。興味のある内容、理解できる素材文ならある程度正解を導けますが、「自分の知らない世界」の題材が素材文として出た場合は「お手上げ」状態になります。出題分野によって得手不得手がはっきりしており、不得手が出れば「それまで」なのです。

「何を言っているのかわからない」――このひと言で思考はストップ。「考えた」といっても、表面から分かるだけのことを断片的につなぎ合わせて、解答「らしいもの」を選んだり、書いたりするのが関の山です。

一方、偏差値が60以上で安定している生徒は、自分にとって苦手な題材の素材文でも、自分の持っている「引き出し」をフル活用して、ある程度「何とかしてしまう」=「解答の形をつくる」ので成績が安定します。

硬い難解な説明文は中身がよく分からなければ、文章の構造から「対比」の関係(筆者が主張するAとそれとは対照的なB)を整理し、内容ではなく「形」から攻めていきます。その子に説明文を解く基本の「引き出し」があるからできる技です。

小説なら登場人物の心の動きが発言で表現されていない場合、文中で表現されている「色」や言葉遣い、行動・態度で察します。これも日ごろからそういう読み方をしているという、その子の「引き出し」があるからできるのです。

苦手、自分の頭にはない世界に直面した際、自分の「型」に引きずり込んで「何とかする」という姿勢を日々の勉強でしているかどうかで成績は「段違い」になります

入試ではその差がもっと広がり、「合格」「不合格」という真っ二つの結果として出ます。

「その日の気分」「ヤマ勘」 の成績

成績は「その日の気分」で違うというのも偏差値50前後をさまよう子の特徴です。

中学受験をするという意識が希薄だったり、親が言うからやっているだけ、という子は、気分が乗らないと試験中ですら上の空で、別のことを考えてぼんやりして時間を浪費します。 

いい点を獲って親御さんに褒められたいという気持ちもあり、手の出る問題、できる問題は取り組みますが、ぱっと見で「分からない」となると、「テキトー」な答えを書くか、何も書かないかです。

解答の根拠もなく「ヤマ勘」で答えるのもよくあることです。

成績が安定しない子の中には試験時間が「余る」子がいます。

解答欄は大体埋まっていて、一見「できた」答案になっています。しかし、大半が深く考えず「ヤマ勘」で答えたもの、ということが多いです。 

精神的に「幼い」子は、その場さえしのいでしまえば…という浅い考えで解答欄を埋めていく傾向にあります。

そこまでいい加減でなくても一歩踏み込んで考えるのが苦手、あるいは面倒くさいという心理が先行して「エイ、ヤー」と答えを出してしまいがちです。

1問1問を丁寧に正確に解く、偏差値の高い子との差がついても不思議ではありません。 

「こう考えたんだけど」が第一歩

受験勉強に対する「姿勢」の問題は、本人が「このままではマズい」と自覚が芽生えない限り、なかなか変わらないというのが現実です。

コロナ前は避暑地に行って「夏合宿」を行い、他の受験生の勉強をしている姿に刺激されて「姿勢」が変わる、ということもありました。また、6年になって志望校別特訓で他校舎の生徒に刺激されて…というケースも見られました。

環境が変わると「姿勢」を改める子は多いです。5年生までだったら、現在通塾しているところで、あまりにも慣れ切って緊張感がないのなら、転塾も選択肢の1つです。

知っている顔のいない、子どもにとって「アウェー」の環境なら、変わるきっかけになる可能性もあります。

今の塾に残る、というのなら「できない理由を探さない」を学習目標にします。

「まだ習っていない」「分からない」は禁句。十分な答えを出せなくても、方向性が大きくズレていても、必ず「こう考えたんだけど」というところまで「自力で行く」約束を親御さん、塾の先生とします

「こう考えた」が「何とかする」の第一歩です。

偏差値60超の子と50前後で停滞している子の差は「自分の頭でどこまで粘って考えられるかどうか」の習慣があるか、ないかです。

自分で考えることの積み重ね、習慣化が、安定して偏差値60以上に到達する道筋となります。

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