中学受験 入試当日の控室がない!?
◆受験の窓口 今日のメニュー
・コロナ感染拡大で入試当日に影響を受ける親御さん
・控室なしや人数制限 “プライベート控室”も
・どう時間をつぶすか あらかじめシミュレーションを
・前泊受験ならホテルを“ベースキャンプ”に
・最後の詰めの段階 事前準備と見通しが大事
★コロナ感染拡大で入試当日に影響を受ける親御さん
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。中学入試そのものがあるのかどうか、懸念する声もありますが、大学入試の共通テストも行われる方向であることから、影響はないとみられます。
ただ、中学校側は入試当日にクラスターの発生に強い警戒をしており、入試当日に付き添う親御さんにも例年通りの対応をしない方針を早くから示していました。その最たるものが「保護者控室」です。
★控室なしや人数制限 “プライベート控室”も
受験生も密を避けるため、時間差での入試を実施するとこもあり、親御さんに対しては控室を用意せず、試験終了後に再度来校して受験生と合流してくださいという中学校もあります。または控室は一応あるものの、人数制限をしたりしています。
埼玉入試では、栄東が入試当日グラウンドを駐車場として開放。マイカーでの来校を許可しました(事前予約制、すでに満車)。控室で親御さんが密にならないよう、各自“プライベート控室”になる狙いがそこにはあるのでしょう。原則付き添いは1人まで、というのはどの学校も同じようです。
★どう時間をつぶすか あらかじめシミュレーションを
控室が用意されていない場合、親御さんの時間のつぶし方が問題になってきます。昨年までは温かい飲み物が用意されていたり、子どもたちが格闘している入試問題が張り出されたりなど、各校それぞれの“サービス”があったのですが、今年はそうもいかないでしょう。近所の方は一度自宅へ帰ったりできますが、「前受け」で埼玉や千葉へ“遠征”している親御さんは、そうもいきません。
学校近くで時間をつぶすにしても、同じような親御さんも少なくはないので、ファストフード店やファミレスなどはすぐに席が埋まってしまう可能性は大(しかも密の状態)。学校の場所によっては、その手の店がない場合さえあります。子どもが受験中の時にどうするかは、あらかじめきちんとシミュレーションをしておいた方が得策です。何とかなるでしょ、と甘い見通しでいると数時間ですが、寒さの中(もしかしたら荒天かもしれませんし)えらい目に遭うかもしれません。
★前泊受験ならホテルを“ベースキャンプ”に
試験前日にホテルに宿泊している場合は、チェックアウトの時間を延長するなりして“ベースキャンプ”を確保しておくのも良いでしょう。
前夜は子どもがよく眠れているか、布団をはいで風邪をひかないか、室内は乾燥しないかなど気になることが多く、親御さんはなかなか眠れないものです。戻ったからといってぐっすり眠れるわけではありませんが、無事試験を受けられるとこまで“誘導”できれば、親御さんとしては一応任務完了。今後も続く戦いに備えてしばし休息です。
受験校近くのホテル宿泊は荒天時に威力を発揮するだけでなく、コロナ禍の中で平日の通勤列車を避けられる利点もあります。受験生本人が嫌でなければお勧めです。
★最後の詰めの段階 事前準備と見通しが大事
前例のない状況下での入試になることで心配は尽きませんが、何よりも受験生が不安になることだけは避けなければなりません。最後の詰めの段階での事前準備と見通しが大事になってきます。付き添いの親御さんだけでなく、家族みんなでそれぞれの立場から受験生を援護してあげたいものです。(受験デザイナー・池ノ内潤)