中高一貫校 推薦で「売れる」「売れ残る」大学

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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・ただ大学に行くだけなら誰でも
・学校によって違うMARCH
・「推薦」に力を入れる中高一貫校
・進路の「方向性」を知るのは大切
ただ大学に行くだけなら誰でも
大多数の中高一貫校には高校3年生の在籍人数を上回る推薦枠が各大学から来ます。
大学の数にして100校超、人数にして計500人程度という学校も多いです。
早慶などは若干名ですが、女子大や偏差値50前後の大学は2桁にのぼることもあります。
偏差値が付かない「フリーランク=Fラン」とよばれる大学にいたっては「制限なし」というところもよく見かけます。
Fランは人数だけでなく、成績も絶対評価で「3.0」(5段階評価)、つまりオール3レベルならOKというのも特徴の一つです。
極端な話、ただ行くだけなら、レベルを問わなければ、成績が振るわなくても大学には行けます。
学校によって違うMARCH
ただ、実際は「どこでも」というわけには行かないでしょう。
ほとんどの大学が推薦枠が使われないまま、学校によっては「●●大学へは推薦でもう10年以上誰も行っていない」ということも珍しくありません。
中学受験の偏差値で40台の「一般校」クラスならMARCHレベルだと「ほぼ完売」です。
中堅校・上位校だと最近は明治や中央の法学部、青学や立教の経営系学部以外は「売れ残り」の年もあります。
日東駒専レベルだと、希望学部があれば別ですが、手を挙げる子は少ないです。
大学名に関係なく人気なのが「医歯薬」系です。
特に女子の場合、薬学部がある大学は人気です。
学校側も生徒の要望に応えるべく、薬学部のある大学との「高大連携」協定を結び、推薦枠を1つでも多く、という努力がみられます。
「推薦」に力を入れる中高一貫校
私立中高一貫校経由での推薦入学の流れは、今後より加速すると考えられます。
大学側も少子化が急激に進む中で「生き残り」をかけて、いち早く学生を確保したい観点から、信頼できる中高一貫校へ積極的に推薦依頼をお願いします。
一方で国公立大学も総合型選抜方式での入学を前向きに行っており、中高一貫校も生徒をそこへ送り込もうと在学中から「学びの工夫」を行っています。
中高一貫校の多くは、探求型のカリキュラムやグローバル教育、実践的な企業とのコラボを通じて経験、さらに部活動や学校外での諸活動の実績など、志望書に「書ける内容」をあらかじめ狙って、生徒を「誘導」するプログラムを展開しています。
中高一貫校も「生き残り」がかかっています。
そのために親御さんを振り向かせるための一番手っ取り早い施策は「大学の合格、進学実績」というのが現実です。
リスクの高い一般受験よりも、出願すればほぼ「合格内定」の指定校、一般受験より確率の高い「総合型選抜」の充実に力を入れるのは、中高一貫校(特に中堅・一般校)として当然の動きになります。
進路の「方向性」を知るのは大切
学校説明会では国公立大に●人、早慶●人、GMARCH●人と「数」を誇る中高一貫校は少なくありません。
しかし、数字よりも、親御さんには違う視点で合格実績を分析してほしいと思います。
できれば「一般受験」なのか「学校推薦型選抜」「総合型選抜」なのか、大学への「経路」を学校側に尋ねます。
細かい数字でなく、多く大まかな状況でも構いません。
受験がいいとか、推薦がいいとかの良しあしではなく、その学校の進路(指導)の「方向性」を知るためです。
これを知ることで、我が子が6年後、一般入試勝負になるのか、コツコツと学校の勉強を頑張って道を切り開くのかのイメージがある程度できるメリットがあります。
先生方にダイレクトに聞くことで、ホームページやパンフレットではわからない、学校の授業方針が見えてきます。
すると志望校、受験校の選択の仕方も違ってきます。
偏差値、大学合格実績…数字だけでは分からないところまで調べられるかどうか。
ここまでやって初めて親御さんの「学校研究」が我が子の学校選択の有効なアシストにつながります。

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