中学受験「お客さん」から脱出する3つの方法+1
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・9割が「お客さん」!?
・「お客さん」からの脱出3つの方法
・「時間がかかる」覚悟が必要
・肝は「待つこと」「共に歩むこと」
9割が「お客さん」!?
中学受験を舞台にしたコミック「二月の勝者」には、塾業界の“裏側”を鋭く突く恐ろしいセリフが登場します。
「上位校合格の見込みのない生徒には、夢を見させ続け、生かさず殺さず、お金をコンスタントに入れてくれる“お客さん”として扱う」。
塾にとって「お客さん」とは、成績上位層ではないものの、毎月安定して授業料を納めてくれる家庭のこと。
難関校合格を夢見て塾に通い続けながらも、上位クラスに上がれず、勧められるままオプション講座や高額な季節講習を受講してしまう。そんな家庭は決して少なくありません。
現実として、御三家や早慶といった難関校に手が届くのは塾生全体のわずか1割。
もちろん志望校の価値観は人それぞれですが、少なくとも「払った分に見合う成果」を求めるなら、お客さん状態から脱出するしかありません。
「お客さん」からの脱出3つの方法
下位クラスの子どもたちは「お客さん」のまま終わるしかないのでしょうか。脱出を図るとすれば、3つの方法が考えられます。
①「できる」を増やす
例えば塾内テストの点数などを周囲と比べず、スモールステップで自分の「できた!」を積み重ねます。
10点の子が一気に80点を目指すのは現実的ではありません。まずは11点、20点、30点と段階的に伸ばし、親御さんはその都度成果を評価します。
点数が下がっても、横ばい状態が続いても「大丈夫、力はついているよ」と、頑張りを認め続けます。
親御さんの「ひと言」が、次へ進むための「燃料」になります。
②「できる」「できない」の仕分け
何が自力でできて、どこでつまずいているのかを明確にし、「できるものを確実に」を「もう少しでできるをできる」に変えて行きます。
この過程でさまざまな「気づき」が生まれます。
「気づき」の数が増えることによって、できなかったものに手が出るようになり、手を出して試行錯誤しているうちに、いずれ攻略が可能なレベルに達します。
③得意科目を徹底的に伸ばす
得意教科、好きな教科で偏差値65以上を目指します。
1つでも自信のある教科ができると、苦手科目にも「波及効果」が生まれます。
「得意が苦手を引っ張る」現象によって、成績が相対的にアップする子どもは結構います。
勉強自体が面白くなるため、成績が飛躍的に上がります。
「時間がかかる」覚悟が必要
ただし、この3つの方法はいずれも、効果が表れるまでに時間がかかります。
最短でも3〜4カ月、平均で半年から9カ月、場合によっては1年かかることもあります。
そう考えると、スタートが早いほど有利です。
小学4・5年生であれば十分間に合いますが、6年生になると「クラスアップ」より「入試本番に間に合うように」という方針で進めます。
焦って即結果を求めたり、伴走に耐えられず塾に「丸投げ」したりする姿勢では、いつまでたっても「お客さん」のままです。
受験でコスパやタイパを口にするのは、偏差値60以上になってからの話。
成績という観点から見て、中学受験の「ステージ」に乗れていない状況の中、何かをすれば、どこかの個別指導に行けば、「すべてが変わる」と考えるのは幻想です。
勉強の実力は、音を立てずに、静かに積み重なるものです。
肝は「待つこと」「共に歩むこと」
ここまでの話で察しがつくかもしれませんが、どの方法をとるにしても、鍵となるのは「親が待てるか」「一緒に取り組めるか」ということ。これが3つの方法に、「プラス1」される要素です。
10歳から12歳の子が自分で弱点を分析しが「よし、地道にコツコツ頑張ろう」と勉強する――。九分九厘無理です。
それに近いことができる子もいますが、「自走」の名のもとに、子どもに「丸投げ」は、後で穴が見つかった場合、とてつもなく大きくてふさぎきれないことが大半です。
親御さんが辛抱強く見守り、前向きなかけ声で支える一方、客観的に子どもの学習状況を観察しながら、必要に応じて軌道修正していく、程よい距離感が大切になります。
親御さんが応援団であり、伴走者の役目を担うことが「お客さん」脱出計画の肝になります。
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