中学受験「日曜特訓」で合格力を磨く(1)

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「日特」でやっていけるための積み重ね
・1つでも上のクラスに在籍する意味

・なぜ、少しでも高い偏差値が必要なのか
・「日特」受講で入試に間に合わせるには
・国語は記述の「型」 算数は「方針」

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★「日特」で十分やっていける実力をつけるために積み重ねがあった
 大手進学塾の“メインイベント”、「日曜特訓」(日特)がスタート、あるいはスタート間近といったところです。サピックスなら「SS」(サンデーサピックス)、早稲田アカデミーなら「NN」(何が何でも)など、名称はそれぞれでも目指すところは一緒、「志望校合格」のただ一点です。

 志望校によって、「日特」の意味は違ってきます。学校名が付いたいわゆる「冠付き」というコースに入り、熱望校を目指す受験生にとっては、勝負の5カ月になります。「冠付き」の学校を目指す家庭では、逆算してこのコースで十分やっていける、という実力をつけるために、3年生の2月から勉強を積み重ねてきたと言っても過言ではありません。

積み重ねてきた努力は合格のため

「日特」で1つでも上のクラスに在籍する意味
 塾によってシステムは違いますが、「日特」の冠付き講座はその学校を志望するなら基本的に誰でも入れます。ただ、人数が多い場合は成績順にクラス分けされ、さらにクラス内でも成績順に座席が決まります。

 例えば、早稲田アカデミーが誇る「NN早稲田」。クラスの数は年によって違いますが、仮にレベル別に6クラスあるとすると、イメージとしてはトップのクラスは全員か9割方合格、2番目のクラスは7割、3番目なら5割以下、4番目は片手で余るほど…という感じになります。できるだけ1つでも上のクラスにいる意味は、合格率を見れば語る必要はないでしょう。

所属クラスの意味するものは大きい

なぜ、少しでも高い偏差値が必要なのか
 つまり同じ冠付き講座で同じテキストを使っていて、同内容の授業を受けていたとしても、この講座を受ける以前にある程度「合格する顔ぶれ」は予測できているということです。もちろん5カ月あるので、逆転は可能です。ただ、みんなも必死です。簡単に上の席を空けてはくれません。なので「日特」が始まる前に、十分な成績と偏差値をとり、上位で「日特」を受講するというのが「勝利の方程式」です。

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 日特はそれまで大して頑張っていない子が「逆転サヨナラ勝ち」ができる魔法をかけてもらう講座ではありません。かなり頑張らないと、成績の差は縮まりません。逆にちょっとでも気を抜くと、どんどん抜かれていきます。

 4、5年生の勉強を大切にする、というのは追い込みの時期に、余計なことを考えずに志望校対策に没頭できる、ということに通じているのです。

中学受験は“先行逃げ切り”が王道

「日特」受講で入試に間に合わせるには
 では、「日特」で頑張っても志望校合格は一部の成績優秀な子に限られてしまうのでしょうか。クラスはともかく、徹底的な復習で入試までに「間に合う」可能性はあります。

 「日特」の冠付きは講座は徹底した過去問演習(赤本に掲載されていない、古い問題)をします。素材は変われど、過去問には脈々と流れるその中学校独自の「考え方」があるからです。過去問演習は合っていた、間違っていた、合格点に達した、とかいうより、「出題の意図、方向性」を演習を通して学ぶ、というところに意味があります。

日特を通じて志望校の攻め方を考える

国語は記述の「型」を 算数は「方針」を徹底的に考える
 日特で取り上げた問題、特に国語と算数は徹底的に復習してください。国語の記述、何度も書き直して解答の「型」をマスターしてください。これまでも塾の授業で嫌というほど記述対策をしてきたと思いますが、今度は志望校の設問に合わせて「型」を身に付けてください。

 算数はテキストでやった問題の解答への方針(こうやって解答を導くという方向性)を演習を通じて体得してほしいです。問題を見て1つ2つ「ああいこうか、こういこうか」と当たりをつけた後、「よし、こうやって解いていくぞ」という道筋をつくり、前へ進んでくというやり方です。

 解法を暗記するのではなく、どうしてそうなるのかを脳ミソに汗をかいて考えてください。それができて初めて「逆転合格」が見えてきます。「日特」に出席して、朝から晩まで座っていても“奇跡”は起こりません。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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