中学受験「やる気がない」を回避する親御さんの取り組み方

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「やる気がない」に関連する親御さんの受験へのかかわり
「やる気」を萎えさせないために親御さんが常にすべきこと
・やる気がなくなる芽を早期に摘むの繰り返し

立ち向かえる状態に整えてあげるのが親御さんの役目

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「やる気がない」に関連する親御さんの受験へのかかわり
子どもが中学受験の勉強に正面から向き合わず「やる気がない」と親御さんの目に映る場合、すでにやっている学習内容についていくことができなくなっている、と前に述べました。

その原因の主たるものは、実は親御さんにある、と言っても過言ではありません。

 「勉強するのは子どもでしょ。なんで私たちが怒られなければならないの!」と反論されそうですが、中学受験は「親(子)の受験」と言われる意味が、子どもの「やる気がない」とセットで考えるとよくわかってきます。子どもの「やる気のなさ」は、親御さんのかかわりに密接に関係しているからです。

よく観察することが「やる気のなさ」を生まない要因

「やる気」を萎えさせないために親御さんが常にすべきこと
6年生の終盤になって「やる気」を萎えさせないためには、親御さんは我が子が学習してきた過程を把握し、我が子がどの単元が得意で、どのようなタイプの問題が苦手かなど、具体的に説明でき、どう対処すべきかの選択肢をいくつか持っている必要があると思います。偏差値がいくつで、志望校の合格判定が何%、ということではなく、子どもの「学習状態」をきちんと観察できているか、どうかということです。

 例えば算数なら「計算問題で間違えるパターンは繰り上がりがある場合と、自分の書いた字が汚くて判読できない場合が多い。平面図形はよくわかっているが、立体図形の問題になると、どうしてもイメージが難しいようで問題を解く前に手が止まってしまう」。社会なら「日本と世界の貿易を示したグラフの読み取りが苦手。外国のイメージがわかない様子だ。歴史は江戸時代まではよく理解しているが、明治時代以降の日本と外国との複雑な関係がこんがらがって理解しにくいようだ」などです。

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子どもの「学習状態」を常に把握する

やる気がなくなる芽を早期に摘むの繰り返し
 このように子どもが具体的にどこでつまずいているのか、逆に何が分かっているかを親御さんは常に気にかけ、つまずいている部分は早期解決を図ります。

 親御さんがコーチする、ある程度のヒントを与え自力でできるようにする、問題点を明確にしたうえで塾の先生に質問する、個別や家庭教師にお願いする、など解決法はさまざま。とにかく「やる気がなくなる」状態になる前に、やる気がなくなる芽である「できない」「わからない」を1つずつ地道につぶしていくことの繰り返しがポイント。これが解消されている、あるいは少なければ受験直前期になって「やる気がない」というどうにもならない状況は起こりにくくなります。

親御さんの手を煩わせず、子どもが自力で解決していく場合もあります。しかし、そんな「つわもの」は少数で、大なり小なり学習面で親御さんのサポートはあると思います。

親御さんのサポートでつまずきを早期に摘み取る

★立ち向かえる状態に整えてあげるのが親御さんの役目
 受験勉強がつらい、のは仕方がありません。小学6年生のレベルをはるかに超えた内容をマスターして、それを各校指定の解答用紙に披露しなければならないわけですから。最後に頼れるのは子ども自身の力で、周りはどうすることもできません。

 しかし、難関や上位校を真剣に目指している子は、難しいチャレンジに対し少なくても「やる気がない」状態ではありません。もがき、苦しみながらも、山を登り切ろうと歯を食いしばります。だからひと山超えると、成績、偏差値ともにアップしたり、受験直前期でも驚異的な“伸び”が見られ、志望校に滑り込むのです。

 6年の10月にテキストや過去問に立ち向かえる状態に整えてあげられるのは、塾ではなく親御さんの役目です。言葉だけの叱咤激励はいりません。子どもの学習面のつまずきを1つでも取り除き、子どもが志望校の問題と“勝負できる”状態にしてあげてください。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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