中学受験の第一歩塾選び(4)子どもの性格

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塾選び 子どもの性格を何よりも考慮して
子どもの性格とミスマッチな塾の例
転塾も5年生秋ぐらいになると厳しい
・理想は3年生での「つまみ食い」
注意!転塾はクセになる

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塾選び 子どもの性格を何よりも考慮して
 塾選びに入る際に合格実績より、通塾の便より、実は大切なのが「子どもの性格」です。塾と子どもの相性を見極めるのは、きょうだいがいれば“経験”が役立つのですが、最初はかなり難しいと思います。

 同じ中学受験を目指す塾でも「塾の雰囲気」というのはそれぞれ。難関を狙うのか、中堅・一般校を希望なのかでも違ってきますが、まずはわが子の性格を考慮したうえで最終決定をした方が良いと思います。

塾選びは子どもの性格を考慮して

子どもの性格とミスマッチな塾の例
 最近の子どもは他人から厳しい指摘をされることにとても恐怖感を抱くようです。塾でも先生から勉強に取り組む姿勢を少し強い口調で注意されたりすると、「あの先生が怖いから塾に行くのが嫌だ」と言って“通塾拒否”になる子も珍しくありません。親御さんもそんな子どもに先生がなぜ注意をしたかを噛んで含んで諭すでもなく、なら転塾しましょう、という判断をする場合さえあります。

 そういう家庭に昭和の名残、20世紀のにおいがする“体育会系”の進学塾はお勧めできません。手こそ出ませんが、良くも悪くも叱咤されることも多いので、声の調子や口調に敏感な子は難しいでしょう。

 他人との競争を好まない子も最近は多いです。小テストのたびにクラス内の席順が変わったり、月例テストなどでクラスが激しくアップダウンする、環境の変化が激しい塾では、マイペースの子どもにとってとても息苦しさを感じるケースが多いと思います。自分の歩幅で進める、個人の方が経営している小規模塾や個別指導、家庭教師をメインに受験を進めるほうが得策かもしれません。

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マイペースで勉強を進めるのがいい子もいる

転塾も5年生秋ぐらいになると厳しい
 塾の体質と子どもの性質の兼ね合いを考慮せず、合格実績や大手だからとか、立地がいいとかだけで入塾をすると、学習環境が落ち着かないことになり、成績や偏差値にも影響します。3、4年生なら転塾もありですが、5年生の秋くらいになるとかなり勇気が必要です。そこから他塾へ移るとなると、すでに出来上がっている校舎の雰囲気、クラスの雰囲気に一人で飛び込んでいかなければならなくなります。

 学習カリキュラムもかなり進んでしまっていて、塾ごとに進み方、既習範囲は違ってくるので、圧倒的に勉強の実力があれば別ですが、“遅れ気味”の子はさらに後手に回り苦しくなります。別に補習や個別指導を受けなければならない状況になる可能性もあり、出費もかさんでしまうかもしれません。

5年生の秋になると転塾もシビアに

理想は3年生での「つまみ食い」
 子どもの性格と塾の相性を見極めるには、「つまみ食い」がお勧めです。できれば3年生くらいから塾選びを始めて、4年生から本格スタートというプランを描き、3年生の間は各塾の体験入学や季節講習をできるだけ経験し、比較できるサンプル集めて11、12月ごろに決定して入塾するのです。

 サピックスのように体験入学ができないところは、夏期講習などを利用します。子どもは1日目で「ここにする!」とかいうかもしれませんが、しばらく様子を見てください。できれば大手進学塾だけでなく、中小規模の塾、場合によって個人塾も回ってもいいかもしれません。これは「ここ!」と思って決めた塾でも、年月とともにやはり“ズレ”を感じたり、校舎長や先生が代わってしまって雰囲気や授業の質が望んでいるものと大きく違う、となった場合の「参考資料」として、体験入学や季節講習の経験が生かせるからです。

塾の「つまみ食い」大いにやるべき

注意!転塾はクセになる
 転塾は悪いことではありません。が、4年生以降に繰り返すことになると、学習面でのまとまりに欠け、受験生に大きな負担となります。職場でもそうですが、転職を重ねていくと次第にそのハードルが低く感じられ、それを繰り返す傾向にあるのと一緒で、転塾もする人は2回3回とします。

 幸せの“青い鳥”を探すがごとく「どこかに求めている塾がある!」と歩き続けた結果はあまりよくない、というのが中学受験の「あるある」です。最初はあちらこちら見て回るのは子どものためにもしてあげてください。けれど決めたら余程大きな変化がない限り、そこで勝負、という姿勢が大切です。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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