中学受験 肝は4年生からの復習サイクル
◆受験の窓口 今日のメニュー
・ワクワクが続けば中受はうまくいく
・すべての近道は4年からの復習サイクル確立
・親御さんも“参戦”1週間の学習計画
・クラスアップは「焦らず」がキーワード
・「できていないこと」より「できること」の積み重ねを
★ワクワクが続けば中受はうまくいく
22年度の進学塾の授業がすでに始まっていると思います。初めて本格的に通塾した子どもは小学校の授業とは全く違う分量の多さと、中身の濃さにびっくりしたことでしょう。
塾から帰宅して授業の楽しさや驚きを親御さんにやや興奮気味に話をするのはとても良いことです。子どもが塾の授業に“参加”できている証明なので、きちんと聞いてあげましょう。このワクワクが続けば、中学受験はうまくいきます。
★すべての近道は4年からの復習サイクル確立
ワクワク感は大切なのですが、同じくらい大事なのが授業の復習です。入塾直後から家庭で復習をきっちりやるという「勉強習慣」のサイクルを守って進む、これが学習面で中学受験を成功させる一番の肝です。
先取りはいりません。復習を徹底して、積み残し(苦手や手つかずのもの)4、5年生で極力少なくすれば、6年生は本当に苦しまずに進んでいけます。奇策も魔法もなく、偏差値を上げる一番の近道がこれで、この流れをうまく乗っていくのが志望校合格への近道でもあるのです。
★親御さんも“参戦”1週間の学習計画
子ども任せではなかなかうまくいきません。親御さんもしばらくは、もしかしたら最後まで“参戦”です。
まずは塾があったその日の寝る前に、子どもから授業でやったことのレクチャーを受けます。時間にして1科目約10分。塾のテキスト、子どものノートを目の前にして、子どもに何をやったか説明してもらうのです。大切なのは親御さんが聞き役に徹すること。出来が悪くても、理解不十分でも冷静に。その説明とノートなどを参考に、次週の授業があるときまでのスケジュールを組みます。スモールステップとしては、塾の復習テストで満点あるいは合格点(80点目安)がとれるように、というサイクルをひたすら繰り返します。
1週間で復習をやり切ることは分量的にも時間的にもかなりタイトです。3週目に入れば、2週目の復習とともに1週目の振り返りも少しはしておかないと、せっかく頑張ってやったところが定着していきません。そのさじ加減もあって親御さんのサポート力が試されます。
★クラスアップは「焦らず」がキーワード
小テストがスモールステップなら、4週に1回程度ある「月間テスト」(塾によって呼び方はそれぞれ)が、ミドルステップになります。ここでの成績がクラス編成にかかわってきます。下のクラスからクラスアップを目指す場合は、早く結果を出して、と言いたいところですが「焦らず」というのがキーワードです。
少しでも早く上のクラスへと、という気持ちは分かりますが、きっちり勉強習慣と勉強体力、そして実力をつけてから、満を持して上のクラスへというのが理想です。というのも、たまたまテストができてクラスは上がったけど、まだレベル的についていけず、翌月また逆戻りでは意味がありません。
一度アップしたら、二度と下には落ちないことの方が早く上へ行くより大切です。実力が安定しているというのは、入試にも通じるものがあります。不安要素が少ないので、「まさかの不合格」とかになりづらいのです。
★「できていないこと」より「できること」の積み重ねを
復習のスケジュールは予備日がないと必ずと言っていいほど破綻します。また、積み残しが少ないように、と言っても子どもの理解度によってそこはどうしても変わってきます。親御さんとしては「できていないこと」に目を奪われがちですが、「できること」のコレクションを1つずつ増やしていくことが、振り返ったときとても大きな財産につながるのです。
1つずつだったものが、もう1つと繋がって別の「できること」が増え、それが次々と繋がって倍々ゲームになっていくと、成績はグーンとアップします。「できること」の積み重ねを焦らず続けていきましょう。(受験デザイナー・池ノ内潤)