東京都市大付属、1日午前に「進出」の背景
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・1日午後受験の「定番」が午前も
・第1志望で選ばれる「トシコー」
・東大現役合格2ケタのインパクト
・熱望なら1日ダブルヘッダーを
1日午後受験の「定番」が午前も
旧武蔵工業大学の流れを汲む、東京都市大の付属の男子校・東京都市大付属中学(東京都世田谷区)が、来年の23年度入試から2月1日午前入試を新設することを発表しました。国算理社の4科目入試です。
国算の2教科受験も選択できることなどから、これまで1日午後受験の「定番」として、志願者を集めてきた同校。22年度も東大、京大などを目指す「Ⅱ類」は出願者701人で21年度比32%増(170人増)。倍率は3.4倍と決して楽な入試ではありませんが、学校側も「 “トシコーの2月1日午後入試”は、中学受験関係者に広く定着されていると自負しております」と位置付けています。
第1志望で選ばれる「トシコー」
1日午前試験の新設について、学校側は次のように説明しています。
本校を第一志望とする受験生・保護者の皆様からは、第一志望の学校を多くの方が受験する2月1日午前入試の実施を望まれる声も耳にしております。つきましては、現小学5年生が受験する来春の「2023 年度中学入学試験」において、2月1日午前入試を実施することにいたしました。
説明をかみ砕くと、難関校志望の受験生が併願として受ける午後受験の定番校から、第1志望として「選ばれる」中学校になったことから、中学受験の「王道」2月1日午前に進出する、と学校側が「宣言」したと言えます。
東大現役合格2ケタのインパクト
1日午前進出には、トシコーの進学実績も関係しているように思われます。今春、都市大付属からの東大合格者は12人。うち11人が現役合格です。18年は1人だったのが、19年から2→6→7ときて、ついに2ケタを突破しました。京大も21年の3人から今春は1人増えて4人、早慶も現役で138人の合格を数えました。
東大合格者は翌年の志願者数に少なからず影響を与えます。2ケタとなれば、親御さんのトシコーを見る目も変わってきます。隔年現象の流れからすると、23年度入試は志願者減の番ですが、東大現役11人のインパクトは大きく、学校の狙い通り1日午前受験の第1志望熱望組の受験に志願者が集まりそうです。
熱望なら1日ダブルヘッダーを
ただ、募集人員が「少くない」という声もあります。Ⅱ類が約10人、難関大を目指すI類が約40人の計50人です。午後はⅡ類40人、I類60人ですから、学校側も1日午前参入を決めながらも、姿勢はまだ慎重。午後受験組で、入学する層に期待をしています。
日能研が発表した22年度の「R4」(合格可能性80%偏差値)は、21年12月の予想偏差値より1ポイントアップして61(1日午後)になっています。1日午前の予想偏差値を各大手進学塾がどれぐらいに設定してくるかがまだ分かりませんし、合格者をどれくらい出すかも未知数です。そうなると、熱望組は1日午前と午後のダブルヘッダーが多数出ると予想できます。後半日程になると、合格者が絞られるため、トシコーの志望順位が高いなら、1日勝負になります。(受験デザイナー・池ノ内潤)
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