人気の神奈川共学8校 志願者増の可能性大
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・ 216%増だった横浜創英
・鶴見大附属の志願者増の背景
・お得感がある森村学園
・男女で「人気」に差の附属校
216%増だった横浜創英
東京と同じく2月1日入試解禁の神奈川。男子校は難関校を中心に、女子は偏差値でいう中堅・一般校(四谷大塚の合格可能性80%偏差値=Aライン)への志願者が増える傾向にある23年度入試です。一方の共学は女子校の傾向に近く、中堅・一般校で志願者が増えそうな学校が現時点で10校程度みられます。
中でも「日の出の勢い」なのが、横浜創英(横浜市神奈川区)です。21年度まで1回の入試規模が男女合わせて100人前後だったのが、22年度は5回の入試機会で志願者計1179人を集め、前年比で216%増(635人増)を記録しました。23年度も人気は高止まりしており、22年度ほどではないにしても志願者増は確実です。
2月1日午後の2回目入試で21年度の実質倍率1倍台だったのが、22年度は男女とも4.5倍程度に。4回目(2日午後),5回目(6日)入試では女子は計51人が受験しましたが、合格者は0。5回目の男子も72人受験し、合格者4人で実質倍率は18倍となりました。
人気の要因は主に2つ。東京都千代田区立麹町中学校の校長として、固定担任制や宿題、定期テストを廃止し、著書がベストセラーになり、マスコミにもかなり取り上げられた工藤勇一氏が20年から同校の校長に就任したことは強いインパクトがあり、その教育実践に共鳴した親御さんが偏差値に関係なく「ここで」という意思が強く働きました。
もう1つは 中1年から高2年がグループを組み、研究所や企業から託されたテーマを研究、提案をする「サイエンスコース」が22年度から新設されたことが挙げられます。中1から「プロジェクト」に関われば5年間同一テーマを探求することになり、机の上の学問にとどまらない学習環境は、将来理系の道を考えている子には魅力的です。
首都圏模試で横浜創英の80%偏差値はサイエンスコースで1日午前が43、同午後が46。21年度より2ポイントずつ上昇しました。模試の志願者動向をみると志願者全体の平均偏差値が3ポイントアップしており、偏差値50台後半から60台の子も受験を考えている気配があり、後半日程は80%偏差値を持っていても安心できません。
志望順位が高いなら1日午前の1回目が狙い目。志願者増でも2倍弱の実質倍率で格段に合格しやすいです。
鶴見大附属の志願者増の背景
神奈川の大学附属・系属校は全体的に志願者減の傾向ですが、志願者増の可能性が高いのが鶴見大附属(横浜市鶴見区)です。
22年度入試では進学、難関2コースに適性検査入試を含め計6回の入試機会で前年比男子は4%増(26人増)、女子は同11%増(33人増)でした。1回の入試規模は150人程度ですが、人気が高まりつつあります。
四谷大塚のAライン偏差値は39。Cライン(合格可能性50%)は34ですが、それほど厳しくはない入試ゆえCラインでも何とかなる可能性が高いです。大学合格実績などは目を見張るものはありませんが、入試の実質倍率が4日の難関コースを除いて1倍台と緩く「確実に合格を」という親御さんが進学先の選択肢として同校を入れています。
学校は曹洞宗大本山の総持寺の広大な敷地内にあります。朝10分間「こころの時間」として黙念(椅子に座った坐禅)をし、昼食では五観の偈(食事前に唱える感謝)など、禅の精神に基づく人間教育が随所に見られます。一方でICT授業に力を入れるなど、先端を行く教育も忘れていません。授業は先生が各教室に来るのではなく、生徒が自ら学びにいく大学のようなスタイル(ホームベース型)をとっているのが特長です。
お得感がある森村学園
森村学園(横浜市緑区)も増加の気配があります。21年度は3回の入試機会で前年比前年比19%増(96人増)、22年度も 8%増(49人増) と人気は継続中。東大合格者を2年ぶりに輩出し、早慶も合計で30人が合格、合格のボリュームゾーンがMARCHで、入学時の偏差値50前後と考えると大学合格実績で「お得」感があります。
同校が進めている 「外国語(英語)」「課題解決(PBL)型教育」「ICT環境」の3要素を中心とした独自の教育システムは親御さんの評価も高いです。もともと落ち着いたタイプの生徒が多いこともあり、安心して預けられるのもポイントです。
四谷のAラインは男子49、女子は51。全ての回で2科受験が可能です。ホームページ上に過去問の出題いと解答する上での注意事項が掲載されており、ここを熟読するだけで点数アップは確実です。22年度は実質倍率がやや高くなった回もあり、直前になって受験回避組も出てくるかもしれません。
男女で「人気」に差の附属校
大幅増にはならないものの、志願者増の流れの中学もあります。桐蔭学園中等教育学校(横浜市青葉区)は22年全体で13%減(180人減)でしたが、23年は隔年現象で増加に転じそうです。男子に比べ女子の方が実質倍率が低く、チャンスがあります。
大学附属・系属校は全体としては減少傾向ですが、男女によって増加傾向の学校もあります。男子が増加傾向にあるのは日大藤沢。22年度は2回の入試機会で28%増(60人増)で、新設の1日午後入試では志願者158人を集め、実質倍率は5.8倍でした。他の回も1回目3.2倍、3回目7.2倍と高倍率ですが、男子の人気は続いています。
女子の志願者増が見込まれるのが青山学院横浜英和(横浜市南区)と関東学院(同)。横浜英和は隔年現象で、実質倍率も下がったことから「受けやすい」印象を与えています。関東学院は22年度志願者、実質倍率とも跳ね上がりましたが、模試の動向を見ると志願者増は濃厚。男子は22年度の大学合格実績がやや振るわなかった影響があるかもしれませんが、女子は徹底した英語教育をする姿勢を評価しての志願者増継続なのかもしれません。
附属校や系属校ではありませんが、かつて「青山学院横須賀分校」だった歴史を持ち、高大連携によって青学大35人の推薦枠を有する横須賀学院もわずかですが志願者増の可能性があります。毎年極端に志願者が減る回が男女いずれかでありますが、1日に限って言うと午前の「1次A」は男子増の女子減、午後の「1次B」は男子減の女子増になりそうです。ちなみに青学への推薦の優先権は、高校入学組より中学入学組にあるのが決まりになっています。
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