5年生春からの中学受験 カギは算数「体力」
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・残り2年弱 中受参戦は可能か
・「計算力」完璧なら「勝負」に!
・5年後半の伸びの肝は4年の学び
・中学受験の鉄則「急がば回れ」
残り2年弱 中受参戦は可能か
中学受験の勉強で、時間的には3分の1を過ぎたと言える新5年生を迎えるこの時期。「これから受験勉強をしても間に合いますか?」という問い合わせをよく受けます。
結論から言うと、1から始めるとなると、3年間かけた子と同じように、となるにはやや難しいです。ただ、国語力がある程度あって、理社のどちらかが「得意」で、受験勉強にうまく「ハマる」ことができれば上位校合格も可能。難関校への挑戦権獲得もあり得ます。
ここでいう「ハマる」とは、受験成功のカギを握る「算数が軌道に乗る」ことを指します。
「計算力」完璧なら「勝負」に!
中学受験の算数は小学校の授業でやっている内容を「はるかに」上回るものです。小学校のテストで毎回100点の子でも、中学受験参戦レベルの算数では10点なんてことも珍しくありません。
ここでめげてしまう必要はなく、多くは「慣れ」とミスをしないための「意識」と「工夫」で、レベルを上げることができます。ただ、その域に達するまでに必要なのは、実は「勉強体力」です。勉強体力は「算数が軌道に乗る」ための第一歩です。
中学時受験は勉強の「質」も大切ですが、それを追求する前に、ある程度長い時間をかけ、多くの問題量と格闘するという「体力」を付けないと実は始まりません。塾が「大量」の宿題を出すのも、ある意味「これくらいやらないと基礎力は付かない」というメッセージが込められています。
ただ、その「さじ加減」を個人個人のレベルに応じて調整するのが理想なのですが、多くの子どもの面倒をみる大手進学塾では「デキる子」に合わせる必要があり、個々のカスタマイズは難しいのが「実態」です。
それはともかく、勉強体力をつけるための基本は「計算練習」です。いきなり入塾するより、ベースとなる四則計算を正確に、完璧にすることから始めるのがおすすめです。
4年から通塾している子でも計算が正確、という子は驚くほど少ないです。逆にこれが正確だと、算数の成績が安定して良い傾向にあります。偏差値にしてコンスタントに65前後ははじき出します。「概ねできる、正解する」ではなく「完璧」を目指します。
計算力が正確であれば、夏期講習あたりから塾デビュー、秋から本格参戦でも「勝負」になります。簡単なものからやや複雑、手間のかかる問題まで1日10問。朝晩2回、「満点」必須で臨みます。
5年後半の伸びの肝は4年の学び
中学受験で必要とされる算数のすべてに触れる、というのは5年からでは時間的にはややタイトと言わざるを得ません。5年生で取り組む学習内容と共に、4年生の内容も並行して取り組む必要があるからです。
受験算数は4年生からの「積み重ね」がものを言います。丁寧に積み上げていき、5年後半からレベルが上がってもついていくためには、4年からの基礎が欠かせません。
そこをすっ飛ばしての受験算数は、必ずと言っていいほど「行き詰まり」をみせます。5年の途中までは、取り扱った単元ごとの問題の「解法暗記」でもしのげるのですが、5年秋以降はレベルが一段も二段も上がるので、計算の正確さと、4年の段階から思考をする習慣がないと、徐々に太刀打ちできなくなります。
5年生の夏までは算数の成績が悪くなかったのに、秋以降急落し、6年でも戻らない、という現象は、基礎を積み重ねずに「その場しのぎ」で切り抜けてきたからなのです。5年秋以降の算数で成績を上げるための肝は、実は4年生にあります。
中学受験の鉄則「急がば回れ」
中学受験に参戦する親御さんは「算数での先取り」「応用問題を解くコツ」を気にすることが多いです。
しかし、先取りをする必要はなく、応用問題を解くコツは「基礎」にあることをなかなか理解してもらえません。先取りよりも質の高い復習(自力で正解へのプロセスを示すことができる、どうしてそうなるかが説明できる)が大切です。応用問題は基礎と基礎の組み合わせで解けます。
この「原則」さえ頭にあれば、5年生とはいえ、途中参戦や成績下降傾向、不審なら4年生の教材に戻って、振り返ることの意味が分かるはずです。
一部の親御さんは「戻る」こと、レベルを下げた勉強を嫌がる傾向にありますが、スケジュールが厳しくても基礎については時間を割くべきところです。
中学受験の鉄則は「急がば回れ」なのです。
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