偏差値低迷脱出の肝「どこまで」と「どこから」
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・成績低迷 突破口は足下にある
・ 親は「解法」を教えてはならない
・「どこまで」と「どこから」が肝
・ 我が子を客観的に「観察」する
成績低迷 突破口は足下にある
中学受験を志したものの、偏差値が30台、40台前半(もしかしたら20台)では、親御さんも当の子ども自身も凹みます。
まだ勉強を始めたばかりで、慣れていないのなら「様子見」ですが、3カ月、半年経っても「現状維持」なら、早急に手を打つべきです。志望校によっては「手遅れ」になります。
ただ、焦って「急いでみんなに追いつこう」という考え方は危険です。
親御さんとしては一刻でも早く遅れている状態を脱し「みんなと同じ土俵に乗る」という思いが先走ります。何かいい参考書はないか、転塾した方がいいのか、個別は?家庭教師は?という方向へ行きがちです。
まずは冷静に足下を見つめることから始めます。具体例の1つとして、塾で行う前回授業の復習小テストを使って偏差値アップを時間をかけて図ります。
月例テストの類で偏差値40台前半の生徒は、小テストでも「合格点に届かない」ことが多いです。
できないまま放置して月例テスト、というパターンもあれば、「一応解き直し」をしている場合もあります。前者は論外ですが、後者は「形だけの解き直し」がほとんど、というのが偏差値低迷の子の現状です。
例えば算数。復習をする場合、〇のついた問題は飛ばしがちですが、もう一度「解き直し」をします。
偏差値が伸び悩む子の特徴として、「よく分からず数をごちゃごちゃいじっていたら答えが出た」という「たまたま」のケースがとても多いです。「偶然が重なり合って」数問は正解しますが、どうしてそうなるのかの根っこの部分がをきちんと理解していないと、すぐに行き詰まります。偶然が「武器」では得点も偏差値も伸びません。
親は「解法」を教えてはならない
「偶然の正解」解消には、「子ども先生」が有効です。〇のついている問題について、子どもに先生になってもらって親御さんに説明してもらいます。
「難しい問題やっているねぇ。これ、どうやって解くの?教えてくれない?」と誘います。5年生ぐらいから嫌がるかもしれませんが、(一応は)正解しいる問題なので、割と付き合ってくれます。
人に説明することで、本当に理解しているのか、なんとなくの正解だったのかがはっきりします。流れるように説明できて、「理にかなっている」のであれば、理解し自力でアウトプットできるわけですからOKです。
説明に「あいまいさ」が残っているものが「子ども先生」の肝。この「あいまいさ」が問題を解く際に「障害」となり、問題を解き進めることを難しくしています。
時々「偶然の出口」は見つかるものの、多くは「迷子」になり、テスト中鉛筆が止まるのです。これが「できない」「偏差値低迷」の一因です。
「あいまい」ということは、少しは「考えが及んでいる」「部分的には分かる」状態です。ただ、次の段階に進む回路が接触不良になってしまって、問題を解くための電流が流れていきにくいのです。
親御さんはここで解答、解法を教えてしまいがちとです。「親塾」がまさにその典型です。学生時代に受験で成果を出した、腕に覚えのある親御さんほど「答え」を教えてしまいます。
しかし、非効率的かもしれませんが、子ども自身にああだこうだ子どもに考えさせる方が成績上昇の「近道」です。教えてしまった方が効率的かもしれませんが、考えずに教わったことを子どもはいとも簡単に忘れ、定着しません。何も考えず「解放暗記」に走るからです。
気づきのきっかけとなる解決への「糸口」「ヒント」を親御さんが出すのは「あり」です。
そこから子ども自身が「どこまで分かって、どこから分からないのか」の手がかりをつかむことは大切。この「仕分け」が、ある程度自身できるようになると、成績は上がります。「何をすべきか」を子ども自身で把握できて、勉強すべきポイントが絞れ、苦手を潰して前に進めるからです。
「どこまで」と「どこから」が肝
先生に質問するにしても、ただ「分かりませーん」と丸投げしても何も進歩しません。「どこまで分かって、どこから分からないのか」 を子どもが自分自身で把握して持っていくと、先生の教え方も格段に違います。「症状に合わせた処方箋」が出てくるからです。
子どもも一生懸命考えた「こん跡」から、先生は子どもの「分かっていない部分」を探り、掘り下げます。その問題が分からないというより、そこに至るプロセスに必要な基礎が全くできていなかったり、間違った理解をしていたなど、「解く以前」の原因があらわになることも多々あります。
原因を根治すれば、「自力でできる」が増えます。そこで子どもながら気が付くこともあります。「考えればできる問題が結構あるな」と。「自力でできる」が増えると、勉強することに興味がわき出し、授業を聞く態度が変わってきます。集中力が格段に上がります。
こういう「もがく」経験が成績を上げる原動力となります。
結果を急がず「もがく」という行為に付き合ってあげるのが親御さんの役目です。教えてしまった方が手っ取り早いかもしれません。その場は良くても、問題の表現を変えられたり、別角度から問われた場合、「どうしてそうなるのか」の原理原則が分かっていないと、あっけないくらい簡単に「お手上げ」となります。成績が上がらない子は総じて「諦めが早い」です。
子ども一人では立ち向かうのが難しい中学受験。逃げだしてしまいそうな坂道を一緒に上り、時には先生への質もの橋渡しも買って出る。これは親御さんでないとできません。
我が子を客観的に「観察」する
中にはちょっとした「小石」(できなかった原因)をどけただけで、水が怒涛の如く流れて、驚くくらい成績がアップすることがあります。大人から見れば「なんだ、そんなこと」と思うことでも子供には理解できないことがたくさんあるからです。
子どもの「分からない」は十人十色。成績が低迷するパターンは大別はできるものの、最終的には1人ずつの「症状」が違うため、個人それぞれでケアしなければなりません。
いつも近くにいる親御さんでも原因究明は大変です。それでも子どもへの 客観的な「観察」を怠らないことが、「被害」を小さくします。
「分からない」の芽は小さいうちに摘み取るのが「鉄則」。親御さんの気づきと導き方が成績アップのカギを握っています。
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