中学受験「撤退」OKの子、NGの子

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熱中しているなら撤退も「あり」 
・体育が…という男子は撤退するな
・おとなしめなら女子は一貫校向き 
・「負の矢印」 は立派な受験動機

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熱中しているなら撤退も「あり」

中学受験は進むも退くも、100人いれば、100通りの答えがあり、この選択が「正解」とは言い切れません。成績は別として、子どものタイプによっては中学受験をやめても良い場合と、公立へ進むと苦労するかもしれない、というタイプがあります。

「撤退してもよい」ケースの1つは「勉強以外に何か夢中になっているものがある」場です。勉強よりも、スポーツ、芸術系の習い事など、熱中しているものがあれば今はそれに集中させてあげるのも選択肢です。 子どもが自分の「居場所」を見つけて夢中になって技術向上を図っているのなら、今はそれに取り組むべき時期ということです。

公立中学に進めば、嫌でも高校受験と向き合わなければなりませんが、その時自分のこれからを取り組んできたことを中心にして「自分ごと」として考えることができます。

中学受験がどこか「他人ごと」のようなら、その時まで待ってあげて、中受撤退も「あり」でしょう。 夢中になっていることを中断したりして「勉強しなさい」では、スポーツや習い事への未練が断ち切れず、塾へ行っても勉強に集中できません。

何かに夢中になってやり通せる子なら大丈夫。親が敷いたレールの上を意味も分からず、どこへたどり着くかもわからず、漠然と中高一貫校に進むよりも有意義です。

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体育が…という男子は撤退するな

逆に「撤退してはいけない」ケースとして、男子なら「実技科目が苦手な子」、女子なら「おとなしい子」というのがあります。 

公立中学へ進むと、内申点では実技系科目の点数が重要視されます。運動の苦手、手先が不器用な子は成績的にも不利になり、男子の場合特に体育がダメだと、どうしても「イジられる」対象になりやすくなります

「イジり」が「いじめ」に発展することもよくあり、それで中学生活が台無しになるという事例は、実際のところまだなくなっていません。 

私立の中高一貫校は体育に関してはかなり「甘い」です(大学附属で運動部が強い場合は得意な子が多いので、別の面で厳しいですが)。苦手としている子も比較的多く、授業の位置づけとしては「体がなまらない程度に動かす」といった感じで、まじめに出席していれば評点「10」が付く学校もあります。運動での「悩み」が少ない分、学園生活が楽しめます。 

ただ、音楽は学校によってピアノやバイオリンなどを扱い、「作曲」に取り組むところもあります。中学受験組は楽器に親しんできた子が割合多く、全くの初心者はやや苦労します。それでもできないからといって、ひどい成績は付かず「なんとかなる」ものです。

おとなしめなら女子は一貫校向き

女の子も「おとなしい性格の子」は公立に進むと少し居心地の悪さを感じるかもしれません。

どうしても自己主張する子が前に出がちで、その子の言動がクラスの他の子に影響を与えたりします。それに従うしかないという雰囲気が醸し出され、「おとなしい子」にとってそれが不本意なら、登校する自体苦痛になります。

中高一貫校でも自己主張の強い女子もいて、いくつかのグループができて、最初のうちはちょっとした「摩擦」もあります。

しかし、学年が上がるごとに全体としての空気は「みんなそれぞれ」になります。仲は良いのに好きなこと、興味のあること、夢中になっていることは個々に違って、それを認め合っているという雰囲気です。どうしても「合わない子」もいますが、そこは最低限の接触で、とうまくやっていく術を身につけます。

文化系の部活動も公立よりはかなり充実していて、男子同様、「オタク」系でも自分の居場所が見つけやすいのも中高一貫校です。特に女子校(男子校)は、「異性の目を気にしなくて良い」という「解放感」はノンストレス状態で、中学に入ると性格が一変する子も女子には多いです。

「負の矢印」 は立派な受験動機

どちらかというと「負の矢印」が向いた中学受験の動機ですが、子どもにとって意外と受験を頑張れる原動力になる可能性があります。

「あの子と同じ中学に行きたくない」「プールがあるから嫌」など、大人からすれば「ささいなこと」の方が、将来を見据えてと思う親御さんの「動機」より、子どもにとって中学受験を「覚悟する」のに説得力があり、起爆剤になります

成績や偏差値だけで受験を決めたり、やめたりすると「道を誤る」もとになります。偏差値が高くなくても、6年後に答えが出る学校もあります。難関校と言われる人気校も我が子に合うとは限りません。

子ども性格を客観的に見つめながら、中学受験を続けるか、次第によっては撤退するか、程度の差はあっても親御さんの自問自答は受験当日まで続きます。

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