中高一貫校は本当に「塾いらず」なのか?
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・中学受験成功!でもまた通塾!?
・補習はあるが…通塾の諸事情
・通塾も男子はあまり勉強しない
・通塾か、学校主体か
中学受験成功!でもまた通塾!?
中学受験塾に通い、見事合格で有終の美を飾り、晴れて志望校へ進学、となっても、引き続き「通塾」をする子どもが結構います。
合格発表当日や翌日、合格者への書類交付の際に中学校へ出向くと、正門前で大手塾から個人塾まで「さあ、次は大学受験」とばかり、蛍光ペン付きの入塾案内やチラシをじゃんじゃん「押し付けられる」のです。
御三家、難関校になると、「東大への定番コース」鉄緑会(てつりょくかい、東京・新宿にある大学進学塾。鉄道研究会と勘違いする親御さんが毎年いる)が、コロナ前は門の外で入塾受付をしていたこともありました。他塾も「入学金免除」など、好条件で進学校に合格した子を、早いうちから囲い込もうとします。
中学受験が終わっても「塾に通わないとダメなのか…」。合格してホッとしたのもつかの間、親御さんには次の課題が突き付けられたように感じるかもしれません。
補習はあるが…通塾の諸事情
中高一貫校の通塾率はどれくらいなのか、データはなかなか見当たりません。中学校側も調べている学校もありますが、内部資料扱いで敢えて公表はしません。
大半の中高一貫校が、学校の勉強をしていれば大学への道が開けるという「塾いらず」を標榜しています。充実の補習体制、東大生によるチューター制、中には放課後学習を塾(TOMASが多い)に出張してもらって「丸投げ」の学校さえあります。いずれにしても中高一貫校の多くが「塾へ行く必要なし」というスタンスです。
それでも一貫校の生徒は通塾します。全科目フルで通っている子はほとんどいませんが、中学のうちから「英語だけ」「数学のみ」などで通塾している生徒は3~4割程度というのが肌感覚です。
理由としては、進度が早い中学の「授業についていけない」「大学受験に向けて先行したい」「大学附属校なので自分が行きたい学部へ行くために」など、さまざま。オンライン学習も含め、中学段階からの塾通いは間違いなく増える傾向にあります。
塾によっては御三家など「指定校」ならある程度の成績を学校でとっていれば、無料、あるいは半額で入塾させるところもあります。塾の自習室などが使える、とあって1科目程度受講して籍を置く生徒もいます。
無料、半額にしても、難関校クラスの生徒が大学受験で弾き出す合格実績によって、新年度に新しい生徒が入学して採算が取れてしまうからです。つまり無料、半額入塾は宣伝費代わりといったところです。
通塾も男子はあまり勉強しない
では、中学に入学した後も通塾して子どもたちは、中学受験を戦ったように寝ても覚めても勉強するのでしょうか。
そんな子はかなり「まれ」です。
女子御三家の一角・桜蔭の生徒は比較的まじめでコツコツ中学1年から勉強するようですが、男子御三家の開成や麻布の子が「鉄緑会」に入っても大半の子が「とりあえず親が行けっていうから」という雰囲気が中学のうちは漂っています。
他塾も似たり寄ったりで、中学受験で志望校に落ち、大学受験でリベンジを誓う生徒は「かなり真剣」ですが、そういうケースはそれほど多くありません。
こちらも「親が行けって言うから」という空気。中学の授業の予習や復習をやっているわけではなく、定期テストの時期になると、そっちで忙しくて塾のテキストは全く復習していないという生徒も珍しくありません。
一貫校の生徒が本気で通塾を考え出し、真剣に塾選びをするのは早くて高校に入ってから。大半が高2の3学期くらいから大学受験を意識して取り組みますが、それまでは親御さんがイライラするほど「のんびり」です。
通塾か、学校主体か
大切なのは「どういう目的のために通塾するか」です。国公立大や難関大を一般受験し、現役合格を目指すなら英語と数学に真剣に取り組みます。他の生徒に先駆けてこの2科目で「アドバンテージ」があると、大学受験は「半ば勝利」といえます。
あるいは中堅校・一般校に通っていて、周囲の勉強に対する態度が「ユルい」「やらされている感が満載」なら、上位校や難関校在籍の塾に通って「揉まれる」というのもありです。外部からの刺激を受けるので、校内という狭い世界ではなく、視野が広がります。
一方、学校推薦型選抜(旧指定校推薦)や大学附属校の内部推薦を目指すなら、学校の授業、補習中心で行けば良いので、敢えて通塾する必要はないでしょう。真面目にコツコツ、授業の復習をして、勉強以外の活動、部活なり学校行事なりに顔を出し「ポイント」アップしていけば、かなりの確率で思い通りの進路になります。
学校によっては本当に充実した補修体制で「塾いらず」の中学もあります。先生たちが「実力派ぞろい」でその辺りの塾よりテキストが充実し、ポイントを突いた授業を展開してくれます。通塾は「マスト」ではなく、学校の補修体制や授業の進度と内容などを見極めてからでも十分です。
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