中学受験 これからどうする?5年生の偏差値40台
にほんブログ村 筆者プロフィール
◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・5年生「自力で解ける」を増やす
・我が子の「ミス」の傾向をつかむ
・「気づき」は入試への最強の武器
・5年生次第で6年夏は「絶望」に
5年生「自力で解ける」を増やす
5年生春時点で偏差値が40台の子どもと、この春から中学受験参戦もしくはスタート間もない状態で、まだ中学受験の勉強に乗り切れていない場合は、対処が若干違ってきます。
ただ、共通しているのは「前に進むよりくどいくらい復習する」ということです。
復習の目標としては「確実に自力で解ける」問題の数を1つでも増やしていきます。
「それでは宿題が全部終わりません」と言うかもしれませんが、いい加減に10問やった宿題は、真剣に突き詰めてやった1問にかないません。
「自力で解ける」数が増えだすと、単にその問題が解けるようになるだけでなく、そこからさまざまな「気づき」が生まれて、別の問題を解くカギが見つかったり、解ける問題の別バージョンだったりと「次」につながります。
この「つながり」をたくさん持っている子がいわゆる「成績の良い子」です。
成績が伸び悩む子は知識や自力で解ける問題が「ぶつ切り」で他とつながっていません。
偏差値60台中盤から70の子が、算数で大問丸ごと正解するのは、考え方の筋道が一本につながっているからです。
偏差値40台、50台前半の子は(1)はできても(2)ができない、(3)はなんとなく分かって点になったけど、(4)(5)はもうお手上げ…という「ぶつ切り」状態になので、なかなか得点、偏差値という「数字」に結びつきません。
我が子の「ミス」の傾向をつかむ
子ども単独で復習をきちんとやれる子は「まれ」です。
間違えたところに赤ペンで答えを書いておしまい、という「復習になっていない」パターンがほとんどの子で見られます。「故障個所」を事実上「放置」している状態です。
間違えたところ=故障個所をきっちり修理するかどうかで、成績の伸びも大きく違ってきます。難問ができないから偏差値が40台、ではなく「詰めが甘い」から伸びないのです。
「詰めの甘さ」の代表格が「ケアレスミス=些細な間違い」の「見逃し」です。ケアレスミスを「些細な」と軽く見ていると、6年生になってからではなかなか修正できません。
6年になって成績の伸び悩みの多くが、この些細なミスを放置した結果の「大量失点」です。
復習に親御さんの伴走が必要なのは、子どもだけだと「ケアレスミス」をすっ飛ばしてしまうからです。
手も足も出ない問題より、親御さんは子どもが解いた問題の丸付けの際に、我が子のミスの「傾向」をつかむことに専念します。
間違いの傾向を把握することこそ、偏差値40台からの脱出は始まります。
「気づき」は入試への最強の武器
計算ミスから問題の読み違え、書き写しミス、自分の書いた字の誤読、漢字の止めはね、記述問題の誤字達治、字数未達、漢字の勘違い…。
「ケアレスミス」とよばれるものにはさまざまなパターンがありますが、成績低迷の子の解答欄はこれらの百貨店です。ケアレスミスを「詰める」だけで、成績は必ず上がります。
ミスが減った分、点数が上がれば「第1段階終了」です。次の段階は「正確に解く」という習慣付けです。
最初はミスしそうなところを意識しながら解き進める練習を繰り返します。それが意識せずできるようになると、確実に○が付くようになり「取りこぼし」がない分、成績が「安定して良く」なります。
正確に解く習慣が身に付くと、そこから派生してさまざまな「気づき」がさらに多くなります。応用問題は「気づき」の引き出しをたくさん持っている子が強いです。
一般に「頭がいい」とは「気づきの引き出しをたくさん持っていて、必要に応じて引っ張り出せる」ということです。ミスを少なくした後は、この「気づき」で点数差が生まれます。
「気づき」は、模試でも入試でも「1点でも多く獲るテクニック」につながります。
問題を解く時間配分、取り組む順番、「深追いしていい問題」かどうかなどの判断が、テスト中にできるようになります。これができるかどうかで4科目で50点近く変わってくることもあります。
「気づき」は中学受験で最強の武器です。偏差値の高い子は、受験勉強をする中で「気づき」を常に探し、見つけた気づきを場面に応じて利用します。
5年生次第で6年夏は「絶望」に
最後に5年生の「位置付け」です。
勝負の分かれ目「受験の天王山」を6年夏休み、と考える人は多いと思います。大手進学塾もそう「宣伝」しています。
しかし実際は、5年生の段階で「基礎」をしっかりしておかないと、6年夏の天王山は迎えられず、勉強しても報われない「絶望の夏」にならざるを得なくなります。
4年生で中学受験の勉強を始めると、ちょうど中だるみの時期にさしかかるかもしれません。
逆に5年生で勉強の質量とも十分だった子は、6年冬の受験本番で「大きなしくじり」をしません。受験の肝である「基礎基本問題」を得点にする力が、5年生時に確立しているので「大崩れ」しないのです。
6年終盤の追い上げで鮮やかな「逆転合格」は痛快です。「偏差値よりも過去問研究を徹底した」「出るところだけに的を絞って勉強した」「とにかく暗記で詰め込んだ」など、一発逆転の「ギャンブル受験」の武勇伝を語る合格体験記を目にすることもあります。
しかし、「ギャンブル受験」は珍しいからこそ目立つのです。実際の受験で逆転劇はそう簡単に起こるものではなく、受験結果の多くは持ち偏差値通り「順当」に終わります。
4年生から長い時間と労力を費やしてきたのに、最後は「賭け事」では、何のために子どもは頑張ってきたのでしょうか。5年生の地道な努力は、必ず進むべき道を開きます。
「基本問題」を正確にできるようにしておくことは、6年生での成績安定の土台につながります。
にほんブログ村 筆者プロフィール