中学受験 子の成績が伸びない2つの家庭環境
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・自宅の居心地がすこぶる良い子
・親が「行け」って言うから塾へ
・親子とも「実感がない」
・「ユルユル」では勝負にならない
自宅の居心地がすこぶる良い子
中学受験に参戦したものの、いつまでたっても「エンジンがかからない」子どもがいます。
成績も上昇気配がなく、どっぷり下位に沈んだまま。中学に入る前から「深海魚」状態です。
塾の先生や家庭教師は学力や勉強の取り組み方以外に、その原因が「家庭環境」にあることを体感として知っています。
成績が悪くても気にしない子どもたちに総じて言える特徴の1つが「自宅の居心地」がすこぶる良いことです。
小学校が終わると、寄り道もしないで自宅へ。おいしいおやつを食べて、スマホ、ゲーム、マンガ…、自分の好きなことをふんだんにできる時間と空間がそこにはあります。
とても裕福なお宅が多いのも特徴として挙げられます。自分でお金を払って物を買った経験がほとんどない子も珍しくありません。
時間になればおいしい夕食が出てきて、お腹いっぱいになった後はまた自由時間。お母さんに促されて机には向かうものの「きょうは疲れた」などといって、30分もしないうちに終了。YouTubeでも見て眠くなったら、お休みなさいです。
親が「行け」って言うから塾へ
別の日は塾や個別指導へ行くものの、自力でできる問題以外は深く考えもせず、ただぼやっと座っているだけか、手遊びしているか…という状態です。
親御さんが「塾に行きなさい」というから通っているけれど、行きたい学校なんてないし、中学に行ってもやりたいことは特になし。うちでゴロゴロしながらYouTubeでも見るのが「やりたいこと」です。
親御さんは「慶應に行けたら」とか「雙葉なんていいわね」とか「明るい未来」を口にしますが、当の本人は志望校なんて深く考えたことがありません。
それより朝早起きして、満員電車に乗るのなんて嫌。歩いていける近所の学校がいい。すぐに家に帰れるし…。とにかく今の「ほどよい」空気感が保てることが第一。別に小学校のみんなが行く地元の中学校でいいんだけど…。こんなところがホンネです。
塾で何時間も頑張り、家に帰っては復習、復習の連続。共働きをしながら子どもの勉強に伴走する親御さんの姿を目の当たりにして、志望校合格へと努力する受験生もいる一方、「中学受験をナメている」としか見えない姿です。
珍しい話ではなく、こんな感じの中学受験組は一定数います。
親子とも「実感がない」
子どもの姿勢も姿勢なら、親御さんのそれも中学受験の厳しさに「実感がない」のが、成績「深海魚」の1つの特徴です。
まだ4、5年生だと「今は本気を出していないだけ。塾に行っていれば、最後は収まるところに収まるでしょ」くらいの感覚です。
裕福なので「軍資金」には事欠かないお宅が多く、塾代、家庭教師代は負担と感じていません。
祖父母がお金を出してくれている家庭も結構あり、これもまた「実感がなさ」に拍車をかけている場合があります。
「実感のない」親御さんは、合格実績の素晴らしい大手進学塾に入塾できた時点で「御三家」に、悪くても「早慶」「有名難関校」に合格できる力を塾が付けてくれると「本気で」思っています。
塾に通っていれば、自然勉強ができるようになる――。受験勉強をしっかりやった親御さんなら「そんなうまい話はない」ことは分かっていますが、中学受験に参戦する親御さんのすべてが、というわけではありません。
中学受験に子どもを参戦させる以上、親御さんも一緒に走ります。
それが12歳の受験です。前を走ってグイグイ引っ張る必要はありませんが、「並走して観察」時には「後方支援」に回り、勉強がやりやすい物理的、心理的環境を整えます。
「ユルユル」では勝負にならない
子どもにとっての自宅の「居心地の良さ」とともに、親子ともども中学受験に対する「実感のなさ」が成績不振の原因の一端として存在する――。多くの塾講師、家庭教師は言います。
勉強をするうえで家庭環境が良好なことは本来かなりのアドバンテージです。親子で受験、受験と追い込まず「大きく構える」おおらかさは、受験直前のメンタルが不安定になりがちな時期に「ゆとり」として強い支えになります。
ただ「ユルユル」では中学受験で思い描いた結果は出ません。程度の差はありますが、みんなそれぞれ「必死」です。
この夏休み、子どもを取り巻く環境、親御さん自身の受験に対する考え方、改めて見直してみると成績アップのヒントが隠されているはずです。
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