5年生のGW 第1志望合格か否かの分岐点 

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5年GWからギアチェンジを
テストは「暗記」で乗り切る?
受験結果を決める算数の「読解」
「思考」と「暗記」が成績の差
・GWをきっかけにする

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5年GWからギアチェンジを

 まだ入試本番には時間があるとはいえ、実は5年生の過ごし方によって「6年冬の結果」が決まります。第1志望合格への最初の大きな分かれ道が、5年生のゴールデンウイーク(GW)です。

 中学受験の中間地点である5年生の夏休みをしっかり乗り切るために、勉強に取り組む姿勢をGWあたりから本格的にギアチェンジする態勢に入ります。志望校を難関、上位校にしているなら、夏休みまでの3カ月弱の期間に、しっかり自分の勉強スタイルを見つめ直すのが得策です。

テストは「暗記」で乗り切る?

 勉強に取り組む姿勢の「ギアチェンジ」とは、どういうことでしょうか。まず、それぞれ進学塾で行う「月例テスト」(マンスリーとか育成テストなど)前の勉強法について、振り返ってみてください。

 例えば算数。一行問題の解法手順を覚えることに専念していませんか。図形問題も方針もなく、目に見える数字だけを適当にいじって解答していませんか。理科もどうしてそうなるのかはよく分かっていないけれど、これが正解だから、そう答えている、というのが多くありませんか。

 社会は地名とかは覚えればできるし、グラフの読み取りもなんとなくできるけれど、その地域の特徴を考えたり、どうしてそういう気候になるのか、どうしてその産業が盛んになるかはあまり考えたことがない、といった感じで勉強を進めていませんか。共通するのは「暗記」中心の勉強で得点を稼いでいるということです。

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受験結果を決める算数の「読解」

 親御さんの中には自身も中学受験を経験した方が多くいると思います。算数ではつるかめ算とか植木算などの特殊算の問題を数多く解いて、解法を「暗記」した、という記憶がありませんか。理科や社会では一問一答式の問題をこれまた馬に食わせるほどやって合格したという経験があるかもしれません。平成の前半期にみられた中学入試の受験勉強の風景です。

 時代は変わりました。解法暗記でできる典型題は、中堅校より下位の偏差値帯の出題。現在の算数の出題の主流は「読解」問題です。問題が何を要求しているのかを読み取り、その思考の流れに沿って解答を導き出すというものです。

 「読解」ができれば、大問丸ごと全問正解します。逆に「読解」ができないと、大問ごと「全滅」の可能性が高くなります。算数の偏差値が高低、第1志望の合否の差は、国語だけでなく算数で「読解」ができているかどうかで決まると言えます。

「思考」と「暗記」が成績の差

 4年生から5年生前半は「暗記」だけでも、まずまずの点数が取れます。それほど複雑な「読解」を必要としないからです。しかし、学習が進むにつれて、問題を複雑化して出題することが可能になり、思考しがら解答していかないと、得点が伸びていきません

 しかも入試本番では、初めて見るような出題形式の「初見の問題」であることもよくあります。解法暗記が通用しない世界です。受験勉強をしてきた3年間、「あなたは物事を論理的に考えることをしてきましたか?」ということを、中学校は問題を通して尋ねているのです。

 5年生の夏期講習前あたりから、思考力を必要とする問題がテキストやテストで数多く見かけるようになります。同じくらいの点数を取っていた子ども同士が徐々に差が開き始めるのは、5年夏くらいからです。「思考しながら問題を解く」と「暗記に任せていた」の差が出るからです。受験前半期の暗記の成功体験から抜け出せない子は、算数の成績の伸びが後半はほとんど期待できません。

GWをきっかけにする

 子どもの勉強が解法暗記に走っていたら、要注意です。夏休みに入る前までに、少しずつ時間をかけて「ギアチェンジ」していった方が、後々の成績の伸びに違いが表れます。

 いきなりは変わりません。勉強スタイルの変更は時間がかかります。そのために、塾の通常授業が小休止するGWが良いきっかけになるはずです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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