中学受験 成績下位から「脱出」する仕掛け作り

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厳しくても急がば回れ
7,8割正解に「仕掛ける」
親御さんの我慢強さが試される
・3、4年生のうちに「仕掛ける」

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厳しくても急がば回れ

中学受験の勉強を継続できる源は「楽しい」です。

「楽しい」から、今の力ではちょっと無理めの問題にアタックして、デキるようになりたいという気になります。

「ちょっとした挑戦」→「自力でできた」→「楽しい」→「次にくぞ」が成績が上がる、安定して好成績を維持するサイクルです。塾の授業も次に何が出てくるかワクワクするから「楽しみ」になります。

授業中、授業に「参加している子」と「出席だけの子」は、ワクワク感が圧倒的に違います。このワクワク感の差も成績、偏差値に如実に反映します。

授業でも家庭での復習でも、やっていること、やろうとすることが「分からない」「どうやったらいいのか見当もつかない」となれぱ、勉強は「面白くない」し「興味がない」のは当たり前です。

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子ども自身がこの状況を打破しようとしても、何とかしようという気持ちはあっても「手が止まってしまいどうにもならない」のが実状。成績下位の子がそこから脱出しようにも「やる気」とか「勉強法」とかではどうにもならないのです。

成績、偏差値の停滞、下落傾向を止めて上昇に転じるためには「どうしていいかわからない」を少なくとも「面白くなってきた」にすることです。

しかし、それが簡単ではない、どうしたらそうなるのかに迷う親御さんが多いからこそ、中学受験は難しい、となるわけです。

状況を転換するする第一歩として、親御さんが伴走するなどして「できる自分」を徐々に作り上げていきます

「遠回りだが着実に」というスタンスが必要です。成績下位の子が、少しでも受験の舞台で「勝負になる」状態にするには「甘い言葉の近道」を選択するのではなく「厳しくても急がば回れ」です。

7,8割正解に「仕掛ける」

子どもが塾でやってきた内容を親御さんが見渡して「自力でできているもの、理解しているもの」を中心に復習、宿題の取り組む内容を決めます。塾からは大量の宿題を課されると思いますが、一旦棚に上げて「我が子仕様」でやるもの、やらないものを分別します。

割合的には7、8割が「自力でできているもの、理解しているもの」で構成し、残りは「もう少しでできそうなもの」、「一段上のレベルのもの」を交ぜます。

つまり10問用意したら7、8問できるものを「仕掛け」ます。そして丸付けをして「よくできているね。じゃあ、できなかったものをもう一度一緒に考えてみよう」と促します。

ポイントは「一緒に考える」です。勉強が面白くない子、デキない子に「自分で見直し」はハードルが超高いです。絶対やりません。これが積み重なると、成績低迷のスパイラルになります。

とはいっても、できないものはそんなに多くないはずです。「できるもの、できそうなもの」をあらかじめセレクトしているわけですから。

できていないものが「少数」というのがミソ。子どもがそれほど負担に感じないからです。「自力でできているもの、理解しているもの」 が元々少ない場合は、同じパターンの数字替えの問題でも構いません。要は「できる感覚」を大切にすることです。

もう少しでできそうな問題は5分程度自力で考えてもらいます。それでも分からない場合は、解決のヒント、糸口を親御さんが示します。

あくまでもヒント止まりで。「デキる親御さん」が完全解説しても、子どもは理解もしなければ、デキるようにもなりません。自力でアウトプットしていかない限りは、テストをやっても得点には結び付きません。

正解した場合は「できたねぇ。イケるよ!」と認めた後、すかさず「もう一度、説明してくれる」と子どもに「先生」をしてもらいます。自分の頭の中ではなく、外にアウトプットすることで理解力が深まり、「定着」を加速させます。

きちんと説明できればOK、まだあやふやなら「分かってないなぁ」と否定せずに、親子でもう1回解答を振り返って、再確認です。このサイクルを家庭学習の柱にします。

親御さんも負担がかかります。可能なら家庭教師の先生などにお願いするのも「あり」です。

親御さんにも伴走してもらう目的は、子どもがどういう思考の過程をたどるのか、どこでつまづいているのかを知るためです。

それをきちんと把握していないと、塾の先生に相談するにも、最終的に頼るにしても、「こうしてください」と的確に「オーダー」できないからです。「塾にお任せ」だけでは納得のいく中学受験にはなりません

親御さんの我慢強さが試される

「そんなにのんびりやっていると、みんなに追い付かない。置いて行かれる」。親御さんは焦るかもしれません。

しかし、分かっていないまま進んでも次はさらに「地獄」。余計「分からない」になります。そのうち手も足も出ない状態になると、やり直しをしようとしても、かなり前に戻らなければならなくなり、時間は何倍もかかります。

最初はじれったいほどの「牛の歩み」ですが、「デキるもの中心復習」を連日粘り強くやっていると基礎力が充実し、少しずつでも「できる、分かる」が増えだし、それが違う「分からない」を「分かる」に転換するスイッチになったりします。勉強は「連動」しているからです。

「みんなはこんなに進んでいるのに、ウチの子は…」と、親御さんは決して比較しないことが肝。親御さんの我慢強さが試されます

この我慢、いつまで続くのかと思うかもしれませんが、地道に続けていると半年くらい経つと成績、偏差値が一段上に伸びるケースを多く見てきました。

3、4年生のうちに「仕掛ける」

大事なのは、成績が上がった「直後」です。ここで「やれやれ」と親御さんも子どももホッとしてしまうか、「この努力の結果を無駄にしないように続けて頑張っていこう!」となるかが分岐点になります

継続していけば以前より結果が出るようになる期間は短くなり、偏差値上昇の速度が加速します。「基礎」がしっかりしているので、理解が早くなり、基礎と基礎の組み合わせで解く応用問題に立ち向かえるようになるからです。

さらに続けていれば「勉強習慣」がうまく回転し、粘り強く課題に取り組める「勉強体力」は並の受験生以上になっていきます。

「仕掛け」は早いほど良く、3、4年生で取り組むと一番効果があります。演習問題中心で展開するの6年生になって、粘り強く勉強できる「勉強体力」が付いているので、終盤は慌てずに志望校対策ができ、合格へとつながります。

6年になって慌てても、成績が「そこそこ」しか伸びない理由は明確です。4、5年生でテスト前とかクラスアップだけを気にした、その場しのぎの「残念な勉強習慣」によって基礎は不安定、粘り強く取り組む「勉強体力」も不足していることから、質量とも「力がつく勉強」にならないからです。

成績低迷は多くの場合、勉強へのアプローチの仕方で局面が大きく変わります

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