25年渋谷教育学園渋谷 入試分析と合否の分かれ目
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・渋谷教育学園渋谷合格の得点目安
・渋渋の算数 傾向と対策
・渋渋の国語 傾向と対策
・渋渋の理社 傾向と対策
渋谷教育学園渋谷合格の得点目安
第1志望が数多く集まる2月1日の第1回入試(サピックスOP合格可能性80%偏差値男女とも62、四谷大塚合不合判定模試Aライン偏差値男子67、女子70)は、昨年度異変がありました。
渋渋の1回目入試の合格最低点は男子で170点台後半(300点満点)、女子が180点台から190点台というのが例年の結果でしたが、24年は男子207点、女子211点と、ここ10年見られなかった高得点となりました。
23年度と比較して男子は39点、女子も31点アップです。
理科と社会では合格者平均が前年度より下がっていましたが、算数で男子が29点(52.0点→81.0点)、女子が25.3点(49.7点→75.0点)アップ。
国語も男子で13.1点(61.9点→75.0点)、女子10.4点(68.0点→78.4点)アップという、急上昇が合格最低点を「爆上げ」しました。
25年度入試は果たしてこの易化傾向が続くのかどうか、それとも23年以前の得点水準に戻るのかどうか、判断が難しいところです。
個人的には「戻る」とみています。
合格最低点は男子で185点前後、女子で200点弱程度。算数、国語が以前の難易度程度に戻り、理科と社会が24年度より高い得点が見込まれます。
ただ、男子は最近受験者の実力が右肩上がりの傾向で、女子との合格最低点の点差が詰まっています。
23年は17点差(男子175点、女子192点)あったのが、23年12点差、24年は4点差です。
したがって、1回目入試の男子合格者最低点は190点台になる可能性も十分考えられます。
第2回入試(サピ男子63、女子62 四谷男子68、女子71)は最低点が上昇傾向が続いており、男女とも200点オーバーは濃厚です、
第3回(サピ男子62、女子63 四谷男子68、女子71)は隔年現象で推移しており、25年は200点超えの番になります。
渋渋の算数 傾向と対策
24年度第1回入試の算数合格者平均は男子81.0点、女子75.0点でそれぞれ前年度より29点、25.3点も上昇しました。
渋渋にしては空前絶後の「点取り勝負」。恐らく満点をとった子も1人や2人ではないでしょう。
大問4つで小問16題の構成は変わらず。大幅に易化したとはいえ、大問1の小問集合から「手間がかかる」「やや難」問題が混じっているので、いかに沼にハマらずに解き進められるかがポイントになります。
大問2の渋渋「定番」の立体図形の問題。具体的には小立方体集合の切断でしたが、レベルは標準でそままま行けば大丈夫。
大問3は規則性、大問4は点の移動と渋渋では頻出の問題で、これも例年の難易度からすると易しい問題でした。
合格者平均が高かったのもうなずけます。やはり「取れる問題」を落とした数の多い受験生から合格が遠のく入試でした。
25年度はこれほど易しくはないはずです。
かといって、以前のような60点前半の合格者平均ではなく、60点台後半から70点くらいのレベルに落ち着くかもしれません。
小問集合では食塩水や角度の問題を、立体図形、規則性など渋渋ではおなじみの問題の演習は他校の過去問などを使って仕上げておくことが合格につながります。
渋渋の国語 傾向と対策
渋渋の国語は素材文が「難解」なことで有名です。
読むだけでもひと苦労ですが、3行にわたる選択肢が「5択」だったり、80字記述3問など「難所」だらけです。
それでも24年度の合格者平均は男子75.0点、女子78.4点とここ5年では男女とも最高でした。さすがです。
25年度はここまで高くないと推測できますが、合格へは60点は必要になります。
ポイントは2つ。まず5択の選択肢問題は、それ自体難解ですが、不適当(不正解)の選択肢は作問者が半ば強引に作っているので、必ず文の内容、つくりに「無理」があります。
素材文の表現を言い換えていることも多々あります。第2回や3回を含め、過去問を通じて正解の選択肢不正解の選択肢を分析して「渋々のクセ」を知るのは迷ったときに判断材料の助けになります。
もう1つの記述は80字という中規模なもので、途中に読点を適当な場所に入れ、句点1つでかき切るのがまとまりが良いと思われます。
記述は一朝一夕でできるものではありません。渋渋を受けるなら、かなりの演習量をこなしてきたことでしょう。
良い文を書こうと「よそ行き」にならず、「いつも通り」に書き込みます。
配点は1つ13点(推定)。計39点だとすれば30点前後を目指します。
渋渋の理社 傾向と対策
渋渋の理科と社会はそれぞれ30分で50点満点ずつ。合格者平均は毎年理科の高く出ますが、どちらも過去問分析以上に「日ごろの学習姿勢」が問われるような入試です。
理科の合格者平均は直近5年で男子が38.7点(得点率77.4点)、女子が37.7点(得点率75.4点)です。
点数だけ見ると易しいのかと思いがちですが、恐らく不合格者平均とは10点以上の差があると推測できます。
渋渋の理科はあるテーマに沿った初見の資料や文章、グラフを読み取る力が試されます。
24年度の大問2つは食物連鎖と紙の精製、繊維を足掛かりにさまざまな問いが用意されていました。
初見の問題は正直「お手上げ」の問題も若干ありますが、多くはある程度「誘導」に乗っていけば得点できます。
誘導の流れに乗れるかどうかは、「理科を積極的に学んできたかどうか」の姿勢で決まってきます。
受験勉強で得た理科の知識や考え方、さらに日ごろから理科事典を見ていたり、塾の先生の理科に関するこぼれ話に興味を示していたかなど、授業やテキストにとどまらない「理科へのかかわり」がものを言います。
どんなテーマが出るかは予測不可能。理科そのものに好奇心のある子を求めています、という渋渋のメッセージを感じる問題です。
合格へは35点前後とりたいところです。
社会の直近5年の合格者平均は男子30.5点(得点率61.0%)、女子30.2点(60.4%)とほぼ変わりません。
目標としてはまず6割、30点確保し、あとは1点でも2点でも積み重ねられるかの勝負です。
24年度はプロスポーツを題材にした地理、九州の歴史、民主主義についての大問3問構成した。
平易な問題も多く、そこを確実に取れば半分程度には届きますが、あとプラスアルファは「社会科資料集をよく見ていた」「世の中への関心の強さ」が点差となって表れます。
渋渋の問題は文章や図版などの資料を使った設問が多いです。日ごろから社会の資料集をペラペラめくって親しんでいると「どこかで見た、似ている」というものに入試問題で遭遇します。
この経験値が一問一答のような即答形式ではない、さまざまなヒントから正解を導き出せる「力」になります。
加えて、時事問題は秋になってまとまったテキストが発売される前から意識しておきます。
日々ニュースにアンテナを張り、特集番組なども機会があれば見るようにして、親子で話題にすると、思わぬところで得点につながります。
理科社会は塾での勉強のみで勝負するのではありません。「すきま時間」や「ついでに」でも点数が伸びます。
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