中学受験偏差値の目安?四谷大塚の合不合判定

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・合不合は一番妥当な偏差値!? 
A判定でなくても落胆しなくていいワケ 
・D判定が続くなら… 
・難関狙いなら合不合を飛び出して 
・必ず生きる“わざわざ”遠くへ行くこと 
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★合不合は一番妥当な偏差値!? 
 6回の延べ人数の参加者で8万人近くを数える中学受験界最大規模の模試、と自他ともに認める四谷大塚の「合不合判定」テスト。21年は7月11日に第2回が予定されており、9月以降月1回のペースで12月まで行われます。 

 日程的には9月以降、首都圏模試や日能研の「合格判定テスト」「合格力実践テスト」と重なるケースが多いのですが、サピックスオープン(SO)とは1度もバッティングしないので、SOの生徒のレベルが高く、少々食傷気味の生徒が「やや数字が獲りやすい」(偏差値が良く出る)合不合に流れるケースがあるようです。 

 偏差値的には「一番妥当な数値」という見方が強く、マスコミなどが中学受験の基準として用いる偏差値としてよく引用されます。 
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★A判定でなくても落胆しなくていいワケ 
 判定はA~Dで示されます。意外がもしれませんが、SOで合格可能性80%を獲得するより、合不合でA判定を出す方が難しいという見方もあります。 

 実際の入試ではB、C判定でも数多く合格しており、本来かなり厳しいはずのD判定になってもいい結果で終わっていることもよくあるといいます(ただ立て続けにD判定ですと、さすがに楽観的な見方はできませんが…)。 

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 一番妥当な基準とされる合不合の偏差値ですが、A判定となる80%偏差値をとるのは実際に合格する層でも上の方で、入学手続きの段階ではA判定レベルの受験生は他校にも合格している可能性が高く、春入学してくる生徒は、模試の成績で「絶好調」とはいえなかった偏差値帯の子が多いと考えられます。 

 例えばA判定が出る偏差値が60とすれば、実際に合格、入学する層は55前後といったところでしょうか。合不合でA判定が出なくても、それほど落胆する必要はなさそうです。 

★D判定が続くなら… 
 問題はD判定からなかなか脱しない層の生徒です。合不合の出題は比較的オーソドックスと言われますが、算数の後半の問題や国語の記述、理社にしても成績が振るわない子にとってみれば「手も足も出ない」ものも最近は目立ちます。 

 できない問題ばかりに直面すると、6年生後半の大切な時期にモチベーションは上がってきません。気持ちは焦るものの、手が止まってどうにもできないという状態は、こちらが思っている以上に子どもにはつらいことですし、思い悩むものです。 

 四谷生や早稲アカなど準拠塾の生徒でも、合不合を敬遠して首都模試にシフトする、あるいは併用するのも作戦の1つです。比較すると、首都模試の方が取り組みやすい問題が並びます。基礎的な良問も多く、入試実戦練習としては「ちょうどいい」と言えます。 

 ある程度結果を出して気持ちよく過去問や追い込みに取り組むことは、受験終盤の戦い方として大切なことです。実力が同レベル、あるいはやや劣っていても、気持ちが前向きで受験勉強を乗り切った方が最後はしぶとく合格を勝ち取ってきます。 

★難関狙いなら合不合を飛び出して 
 逆に難関や早慶附属などを狙う層は、合不合にとどまらず、サピックスの「学校別オーブン」で他流試合を経験しなければならないでしょう。「学校別」の多くは、実際の受験者数よりマイナス100人程度、学校によっては十数人しか違わない場合も珍しくありません。実戦そのものです。 

 加えて難関校の合格者数のかなりの割合をサピックス生が占めることを考えれば、ここで互角の勝負をしなければ道は開かれません。アウェーの戦いでどれだけできるのか。難関校を受験をするうえで避けて通れないポイントでしょう。 

必ず生きる“わざわざ”遠くへ行くこと 

 日能研の各種模試とも重なりますが、これは迷わず合不合で、といったところ。レベル的には変わりませんが、最近の日能研は難関、上位校をあきらめていないものの、合格者の多くが中堅校ということもあり、オープン模試も何か微妙な出題が目立ちます。 

 最後に模試はチャンスがあれば、塾の校舎ではなく、“わざわざ”用意されている各中学校へ出向きましょう。志望校が入っていなくても構いません。学校の教室でやることに大きな意味があります。できれば周りは知らない子ばかりで。この経験、入試で必ず生きます。(受験デザイナー・池ノ内潤) 
 

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