【不合格体験記】スマホはいらなかった

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受験が終わって気が付いた スマホはいらなかった
・子どもは言った「塾のみんなはスマホを使って勉強している」

・「少しだけ、少しだけ、とやっているうちに止まらなくなった」
・青ざめた6年生12月 でも遅かった…

中学入学後にスマホが必要なこれだけのこと
・中学校での“元凶”もスマホです

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受験が終わって気が付いた スマホはいらなかった
思えば“みんなが持っているから”で、スマホを与えたこと自体がマズかった。確かに所在確認やLINEで連絡を取り合うには便利だったが、小学生にスマホはいらなかった

 聞けば難関校に合格した子は携帯電話を持っていてもガラケーかキッズ携帯だったとか。それで十分だったのだ。

 ムサシくんのお母さんが冷静になってそう思い返したのは、中学受験が終わって1週間ほど後になってから。1月からの入試に全落ちして、2月になって急きょ受験した中学校に滑り込むように合格。入学者説明会が行われる前日のことでした。

連絡だけならキッズ携帯でも十分

★子どもは言った「塾のみんなはスマホを使って勉強している」
 ムサシくんが「スマホが欲しい」と言い出したのは、5年生の夏休み前。「塾のみんなは自習室とかでスマホを使って調べものをしている」というのがその理由です。

 確かにいつも重いテキストを担いで塾に行くのもつらいだろうし、スマホ機能を使って国語の言葉や理科、社会の調べものができるのは便利かもしれない、お母さんは思いました。

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 それにムサシくんのご両親は共働き。夏期講習を前に、子どもと連絡を取るのも楽になるし、所在確認もできるとあって、心配もありましたが契約することにしました。

小学生でもスマホのさまざまな機能を使いこなしている

「少しだけ、少しだけ、とやっているうちに止まらなくなった」
 スマホを手に入れたムサシくんは、友達に聞いてスマホのさまざまな機能を覚えます。ムサシくんがスマホを使っていたのは、ご多分に漏れず、ゲームとSNS。課金ゲームこそ手を出していなかったものの、無料でできるゲームにハマってしまい、塾の行き帰りに、親御さんが仕事をしていて一人で留守番している間などに没頭していました。

 SNSは「友達と勉強の分からないところを教え合う」という理由を付けてLINEをやっていましたが、勉強の話などほとんどするわけでもなく、夜中に布団に入ってからもスマホをいじって“おしゃべり”状態。「やめなきゃいけないと思ってはいたが、少しだけ、少しだけ、とやっているうちに止まらなくなった」とムサシくん。5年生夏から6年生の終盤、過ぎ去った時間はあまりにも貴重でした。

お菓子と同じ スマホは「あと少し、あと少し」でなかなかやめられない

★青ざめた6年生12月 でも遅かった…
 6年生12月、最後の模擬試験で偏差値が50を切って青ざめ、やっと前向きに勉強をしましたが時間切れ。1月から立て続けに5校の試験に落ち、2月になって受験日程のヤマ場が終わった頃に受けた中学校にようやく合格。学校説明会へ行ったこともなければ、パンフレットを取り寄せたこともない学校でした。

 ムサシくんは多くの中学受験性と同様、新小学4年の2月から大手進学塾へ。第1志望は開成中学。5月に行われる、開成名物の運動会に魅せられての受験でした。当初は成績も上昇カーブを描いていましたが、「スマホ」の登場とともに、今度は成績が徐々に下降線をたどり、あこがれの開成は挑戦できず。今さら受験はやめられないと最後まで完走しましたが、悔いが残る中学受験となってしまいました。

少しだけ…の積み重ねが「時間切れ」につながる悲劇

中学入学後にスマホが必要なこれだけのこと
 中学受験の“必須アイテム”ではないことは確かです。ですが、中高一貫校に入学すると、電車通学をする子が多くなり、必然的に「スマホデビュー」する子が多くなります。親御さんとの連絡や、所在確認にも使えて安心です。

 さらに部活動の連絡でさえ、最近はLINEを経由して届きます。生徒同士でも宿題、レポート、定期試験の情報交換などはスマホでやり取りしています。勉強面でも中学の先生は「生徒たちは辞書を引かなくなった」と指摘しますが、スマホをいじれば大抵のことは瞬時に“教えてくれる”ので、紙の辞書を所有していない生徒も珍しくありません。

中学でのスマホは確かに必須アイテム

中学校での“元凶”もスマホです
 一方で、中学に入学して「あんなに勉強していたのに、今は…」と親御さんを嘆かせる元凶はスマホがほとんどです。

 子どもたちが部活の連絡や勉強面に限定してスマホを利用しているわけではなく、多くはゲームや動画、勉強以外の“情報交換”に使って、勉強だけでなく日常生活に差し障りが出てきます。指摘されるようになって久しいですが、生徒同士のトラブルや学校裏サイトも広がりは止まりません。

 スマホの利用は校内で原則禁止にしている中学校も災害や事故の場合を考えると「持って来るな」とは言えず、校内では電源を切るというルールでかろうじて秩序を保っているという感じがほとんど。規則を破り取り上げられて、親御さんが学校へ取りに行かなければならない、解約させられる、一度採り上げたら戻ってこないなど学校によって処分はそれぞれですが、それでも子どもたちはスマホからなかなか脱却できません。小学生ならなおさらです。よく親子で協議してください。

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