【数字でみる中学受験】3年間、塾だけで約250万円

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文字通り飛ぶように…6年では月10万円超
月謝の約2倍取られる講習代 コスパを良くするには…
大金をはたいた講習代を活かすには通常授業の取り組み次第
・総額150万円以下の層も増加傾向
・「親塾」メインでもテキスト代はかかる

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★文字通り飛ぶように…6年では月10万円超
約250万円。これは我が子が4年生から6年生の入学試験終了までに塾に払った概算金額です。個別塾や家庭教師にはお世話にならず、通っていた塾一本で受験を完結しました。

 通常の月謝に季節講習、6年生後半は日曜特訓や正月特訓などもあり、6年生の時は月平均にならすと10万円超。文字通りお金が飛ぶように消えていきます。

中学受験はお金がかかります

月謝の約3倍取られる講習代 コスパを良くするには…
 大手進学塾の懐事情を探ると、季節講習や特別講習は「書き入れ時」です。通常の月謝より割高で、しかも外部生も一定数参加するなど、“”好条件”がそろっているからです。先生方は連日朝から何コマも連投となるので体力的にはキツいですが、そこは“商売”。力技で乗り切ってしまいます。

 親御さんの立場としては、季節講習や日曜特訓に支払っただけのリターン、つまり「コストパフォーマンス(費用対効果)」をついつい考えてしまいます。6年生の夏ともなれば月謝の3倍くらいは講習代として取られます。「これだけつぎ込んだのだから…」という思惑が親御さんには働きますが、これを生かすも殺すも「通常授業」とその復習をしっかりやっているかどうかにかかってきます。

親御さんとしてはコスパは当然気になる

★大金をはたいた講習代を活かすには通常授業の取り組み次第
 親御さんが季節講習に抱くイメージはどのようなものでしょうか。今までの総復習、これまで遅れをとっていた部分の差を一気に縮める、苦手克服大逆転――。そういう意図の「特別講座」は用意されているかもしれませんが、基本的には「通常授業の延長」です。

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 夏期講習や冬期講習、あるいは春期講習といっても、特別に何かをやるという感じではありません。カリキュラムは通常授業の延長で、新しい単元が次々と組み込まれていきます。特に4、5年生では「前に進む」ことが前提です。通常授業の流れを引き継いでの授業ですから、“それまで”が分かっていないと、流れには乗れません。

通常授業の「波に乗る」=「ついていく」ことが季節講習を活かすコツ

総額150万円以下の層も増加傾向
 一方で、できるだけ節約して中学受験に臨む層も増えています。受験情報サイト「インターエデュ」の調査によると、2017年では受験費用の総額「50万円から150万円」と答えた割合は15.9%だったのに対し、19年では20.7%に上昇しています。

 背景はいろいろ考えられます。例えば、インターネットを使った学習。リクルートが展開する「スタディサプリ」では月額1980円(税抜)。キャンペーンの時は割引になり、年間で換算すれば、実質3カ月分程度無料で受講できるようになります。

 4教科でこの価格ですから、家庭の経済事情で塾代をふんだんに捻出できない場合や、他に習い事やスポーツに力を入れている子にとっては、時間的にも自由度が高いので「使い勝手」がとても良いです。

 体系的なまとまりはありませんがYouTubeにも受験関連の動画がたくさんあります。中にはピンポイントで分かりにくい単元を解説してくれいるものもあります。無料ですので大きな期待をせずに探していると、意外な“掘り出し物” もあります。

動画授業は分かりやすいと好評

「親塾」メインでもテキスト代はかかる
 メインは親御さんが教える「親塾」に置いて、前述のネット活用や通信添削、個別指導塾を組み合わせるという方法もコスト的には負担が少なくて済みます。問題は親御さんに教える能力が十分あっても、我が子ということを忘れて冷静、客観的に受験に必要なレベルの内容を伝授できるかどうかです。

 オリジナルのテキストを作成して中学受験に挑戦する強者の親御さんもいらっしゃいますが、「親塾」の多くは四谷大塚の「予習シリーズ」やネットオークションに出品されている大手進学塾終了組テキストを利用するケースが大半。こういうところでの出費があるため、やはり100万円前後はかかってしまうでしょう。

  2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によるオンライン授業の広がりから、今後は通塾というスタイルが主流ではなくなる可能性もあります。コロナ禍の具合なども見ながら、中学受験の出費も大きく変化してくるものと思われます。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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