江戸川学園取手  四の五の言わず勉強

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「江戸取」あわや東大ゼロ 
志願者増も女子減少は制服のせい? 
・1日12時間「勉強合宿」 
・ジュニアコース1期生に期待 
・親御さんの目利きは中受で一番大切 

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「江戸取」あわや東大ゼロ 
 茨城県取手市にある江戸川学園取手は創立40年を超える男女共学の進学校です。茨城県は公立が次々と中高一貫校に様変わりし、私立は学業の面でやや話題を持っていかれがちですが、「江戸取(えどとり)」はその中でも長年奮闘をしてきました。 

 21年度の東大合格者数は5人(現役は4人)。前年度はわずか1人となり、「東大コース」が設置されていながら危うく“実績ゼロ”になりかけて、学校内外から危機感が漂いました。今年度は復活したとはいえ、16年を最後に2ケタ合格から遠ざかっており、公立の一貫校がにぎわっている中でその存在価値が問われていると言っても過言ではないでしょう。 
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江戸川学園取手

★志願者増も女子減少は制服のせい? 
 最寄り駅にJR常磐線やつくばエクスプレスが通っていることで、実は隣県の千葉県や東京都から通学してくる生徒が6割います。21年度の中学受験の志願者数は3コースでの3回の入試で計2136人を集め、前年比約8%増と新型コロナウイルス感染拡大の影響で、地元志向が濃いと予想された中で健闘した数字と言えます。 

 志願者増の背景には、今でも東大や医学部合格の実績が良い、という評判が生きていることと、難易度がここ数年下降線をたどっているものの、早慶をはじめとする私大の合格実績は出していることから受験生にとって志願しやすい環境にあったと見ることができます。 

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 ただ女子は志願者が10%程度減少傾向。評判が芳しいとは言えない「葉緑体」などと他校から揶揄されるという、緑の制服が影響しているのかもしれません。女子にとって制服は偏差値や進学実績以上に志望校決定の重要な要素です。
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★1日12時間「勉強合宿」 
 利根川沿いに広がる、自然豊かな広大なキャンパスは伸び伸びと学園生活を謳歌できそうに感じますが、江戸取はガツガツ勉強させる学校です。その代表例の1つが「勉強合宿」です。 

 他校が夏休みに入る7月下旬に中学3年生は4泊5日にホテルに缶詰めとなって「勉強漬け」です。ホームページにはその意義を「3年半後の大学受験に向けてモチベーションを高めるための重要な行事 自分自身と真剣に向き合い」「勉強合宿を境に自己変革を成し遂げた生徒たちの姿」があるとしています。中高一貫校は高校受験をしなくてもいいから、という理由で志望する子も多い中で、高校受験以上の勉強をするというのも凄まじいです。 

 高2になると5泊6日、高3は10日間の合宿です。朝6時起床の夜11時半消灯。1日12時間の勉強の成果については、ホームページにある卒業生の体験記を読むと如実に伝わってきます。 

手塩にかけてきたジュニアコース1期生に期待 
 「体育祭でさえ競技にまともに参加せずに、参考書を片手に勉強している生徒さえいる」「朝、教室に入ってから帰宅するまでが勉強中心のサイクルで回っている。補習優先で部活に出られない時もよくあった」。江戸取の思い出を口にする卒業生は口をそろえて「とにかく勉強した」と言います。現役合格が全体の4分の3を占めるというのもうなずけます。 

 16年から中学入学とともに「東大ジュニアコース」「医科ジュニアコース」「難関大ジュニアコース」と入学時から道を3本に分けています。22年度入試は中学からコース別で鍛え上げてきた生徒たちが大学入試にチャレンジします。医学部の合格実績は申し分ない中で、注目されるのは東大の合格実績。「医科コースの方が優秀なやつが多い」というのが在校生の分析ですが、入学時から手塩にかけてきた生徒たちの合格実績に学校側の期待は大きいはずです。 

★親御さんの目利きは中学受験で一番大切 
 6年後の大学進学を見据えて私立中高一貫へ入学させた親御さんとしては、校則の厳しさ、勉強の手を緩めない江戸取の姿勢に不満の声は上がりません。むしろ自由に楽しくしてしまった方が、勉強しなくなるという懸念があり、そういう学校を選択肢から外す親御さんもいます。 

 提供するカリキュラムに乗って志望校現役合格は江戸取なら可能です。同時に10代の時期に青春を楽しみながら勉強と両立することは本当に難しいのか、という問いも湧いてきます。在校生は少なからずその葛藤の中で中高の生活を送ります。子どもの成長を考慮して受験校を選ぶ。進学実績や偏差値以上に、親御さんの目利きは中学受験で一番大切です。(受験デザイナー・池ノ内潤) 

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