理系に進むなら!?「東京四工大」附属中の実態

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理工系大学の付属中学に熱視線
難化も人気の芝浦工大附、留学推しの芝柏
対照的な東京都市大系2校の校風
志願者増で期待の電機大中と工学院附属中
東京理科大を“狙い撃ち”も作戦の1つ

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★理工系大学の付属中学に熱視線
 芝浦工大、東京都市大(旧武蔵工大)、東京電機大、工学院大の理系大学4校で構成する「東京四工大(よんこうだい)」にもそれぞれ付属中学があります。

 文系学部出身の大卒より、理系のそれの方が生涯賃金が高いとされ、最近では理系に進む女子「リケジョ」の存在がクローズアップされるなど、理工系大学の注目度は高いです。同時に附属中学校にも熱い視線が投げかけられていることが、中学受験の志願者状況でもうかがえます。しかし、現状ではそれほど附属校へ進学しているというわけではなく、中学受験の段階での理系附属校の受験は「将来の可能性の1つ」として、親御さんはとらえているようです。

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芝浦工大の豊洲キャンパス

★難化も人気の芝浦工大附、留学推しの芝柏
 21年度入試で話題になったのが芝浦工大附属中(東京都江東区)です。今年度から女子を募集。全4回の入試で志願した2022人中での女子の割合は約17%。“姉妹校”の芝浦工大柏(千葉県柏市)の約33%と比べると、まだまだですが、共学化と大学と同じ豊洲の広くてきれいなキャンパスに憧れた男子生徒も多いようで、偏差値が年々上昇(四谷大塚の合不合格判定での80%偏差値は12年45、20年52)したにもかかわらず、志願者は増えています。就職の良さでは定評のある芝浦工業大学への進学率は40%前後。「東京四工大」の中では圧倒的に高い数字で、ある程度目的を持って入学している生徒も多いようです。

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 対する芝浦工大柏中(通称シバカシ)は、付属校でありながらどちらかというと進学校としての顔を持ち、内部進学は毎年10%弱。東大や京大にほぼ毎年合格者を出すだけでなく、海外大学への留学も積極的に支援し、米英をはじめ世界大学ランキングに入るオーストラリアの大学へ進学する生徒も複数います。ただ、21年度入試は1回目の入試(1月23日)こそ微増でしたが、残り2回はダウン。コロナ禍の中で学校までスクールバスを使わなければならないという「密」を避ける心理が働いたのかもしれませんが、1月23、27日に入試をやる学校は少数なので、今後も「前受け」受験を含めて、安定した人気を誇ることになりそうです。

芝浦工大柏中は千葉でも人気校の1つ

★対照的な東京都市大系2校の校風
 武蔵工大の付属高校の流れを汲む東京都市大付属中・高(通称トシコー、東京都世田谷区)は男子校。マイペースの子が多い、穏やかな校風ながらも全国大会で数多くの表彰を受ける「自動車部」(電気自動車とエコラン・カーを自ら製作し、自分たちで運転する)の活躍など、理系大学の付属らしい文化が息づいています。

 都内在住の受験生が併願校として選ぶケースが多いのですが、大学合格実績も上々で21年春の東大合格者は7人で前年の6人を上回り、京大も3人合格しました。21年度の中学入試は計5回で志願者3266人の前年比6%減。昨年合格最低点が一気に上がり、大学合格実績は好調なものの難化傾向にあり、「安全志向」の21年度入試ではやや敬遠されてしまったようです。

 09年に女子校だった東横学園中・高から改称した東京都市大等々力は、「トシコー」と比べると中学入学時から6年後を見据えてという方針がうかがえます。四谷大塚の合不合格判定テストの80%偏差値では2月1日の男子特選クラスで51ですが、大学合格実績では21年春に東大に1人が合格、前年には京大と成果が出ています

 21年度入試の志願者数は計5回の試験で志願者数2223人、前年比25%減。特に前年算数1科入試で78人が受験して合格は男子1人のみという衝撃の結果もあって、21年度は受験者が39人と半減(合格は2人)。合格者を乱発しない姿勢は、中堅校が人気の中にありながら、受験生としては「手が出しにくい」学校だったようです。

 両校とも東京都市大への内部進学は1割に満たない人数で、付属とはいえ進学校型の中高一貫校といえます。

東京都市大等々力は共学も男女で通学路が違う

★志願者増で期待の東京電機大中と工学院附属中
 JR中央線東小金井駅から徒歩7分のところにある東京電機大中学は同大学の系列共学校。大学への推薦制度もありますが、毎年20人強と卒業生の約1割程度にとどまっています。3分の2が理系での進学を希望。年によって東京工業大の合格者もおり、東京理科大にも複数の推薦枠があります。

 21年度の入試は計4回行われ、合計で男女1318人が志願し、前年比22%増。女子の倍率はどの回も2倍を超えませんが、男子は3回目(2月2日)が5.5倍、4回目(2月4日)が6.1倍と狭き門になりました。入学定員150人に変化はないのですが、4回とも前年と定員数を変えたことや難易度がそれほど高くないことで志願者が集まったようです。

 工学院大附属中(東京都八王子市)は、併設高校へ上がり20%前後が工学院大へ進みます。他大学推薦は開拓中といったところで、受験をして工学院大に進む生徒もいます。21年度入試は全6回の入試で計496人の志願者を集め、前年比13%増。男女とも倍率は2倍弱のことが多く、狙い目ではあります。「ハイブリッド」という冠が付いた高校の進学クラスの今後の進学実績向上に期待したいところです。

工学院大附属の「ハイブリッド」な授業に期待

★人気の東京理科大を“狙い撃ち”も作戦の1つ
 私大の理工系大学の雄、東京理科大が付属や関係の深い系属校を持っていませんが、その代わりというわけではないですが、この「四工大」の附属をはじめ、多くの中高一貫校に指定校推薦の門戸を開放しています。

 「理科大の枠は売れる」(共学校進路指導担当者)と人気もあります。中学受験で無理せず、余裕を持って進学して理科大の指定校枠を“狙い撃ち”するのも作戦としては「あり」かもしれません。(受験デザイナー・池ノ内潤)
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