【中学受験質問箱】「面倒見のいい中学校」ってどういうことですか?

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大学合格実績に関心がある親御さん
面倒見がいい=宿題が多い?
「遅れた生徒」対象の補習実態
「面倒見がいい」の恩恵を受けるためには自分から一歩前へ

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 【質問】日能研の偏差値で50前後の中学校を目指して勉強しています。今でも自主的に勉強するというよりは、親にお尻を叩かれ叩かれ机に向かっている感じです。いくつかの中学校の学校説明会では、たびたび「ウチはとても面倒見のいい学校」という言葉を聞きました成績不振の生徒には補習を、大学受験期には学校で夏期講習をやったりして「塾いらず」ということを強調します。“コスパがいい”とか“お得感がある”と、受験生の親の間では概ね好評です。無理して上位校を狙うより、長い目で見てこういう「面倒見のいい学校」の方が、子どもの将来のためにいいのでしょうか。

「面倒見のいい学校」と称する中学校は多い

★大学合格実績に関心がある親御さん
 多くの私立中学校の学校説明会では、大学合格実績の話が必ずと言っていいほど出ます。中学受験をする一つの理由として、公立よりも大学受験対策がしっかりしているというイメージを抱いて志望する、というのも要因に挙げられると思います。

 校風や教育目標も大切ですが、親御さんの関心を引くのはその中高一貫校の大学合格実績であることは間違いないでしょう。さらに、学校側が遅れている生徒には補習を、高校3年時には学校で夏期講習を開講してくれるとすれば至れり尽くせり、心配なしと安堵します。

 しかし、いわゆる「面倒見のいい学校」と呼ばれる中高一貫校ですが、すべてが万々歳とはいかないようです。

私立中高一貫校への関心の1つは大学合格実績

面倒見がいい=宿題が多い?
 一概には言えませんが「面倒見のいい学校」を標ぼうする中学の多くは、かなりの量の宿題を課す傾向にあるようです。親御さんにしてみれば安心かもしれませんが、子どもたちは中学に入学して勉強ばかりしているわけではありません。部活動に通学帰宅での移動、結構な時間を勉強以外に割かなくてはなりません。

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 宿題プラス英語なら単語テスト、数学なら小テストが授業ごとにあったり、ノートやレポートの提出も頻繁で少し気を抜くと課題が山積み。私立は土曜日も授業があることが多く、日曜も部活動となれば正直時間がありません。

 宿題をたくさん出し、小テストを繰り返すことで「目をかけている」と位置付けている中学校も実は多いのです。中には国数英の主要科目の先生が相談して宿題量を調整してくれる中学もあります。生徒が“消化不良”を起こさないための配慮です。また、同じ中学校でも学年により、宿題の出し方、分量が違うこともよくあります。

 機会があれば、親御さんも学校説明会の折に入学後の宿題について質問なさることをお勧めします。学校側の学習に対する考え方の一端を垣間見ることができます。

宿題の多さに圧倒される生徒も少なくない

「遅れた生徒」対象の補習実態
 中高一貫校の多くは「高校2年までで高校の課程を終え、3年は大学受験に向けての演習を中心に進める」とうたっています。つまり、中学に入学した時から授業進度は早いということを意味します。こうなると、すべての生徒がスピードについていけるわけではありません。

 スピードについていけず、1学期が終わった頃には一緒に入学した中でも既に差がついて、夏休み前から夏休み中に「呼び出し」がかかって補習に参加することになります。が、ここで丁寧に見てくれる場合は救いになるのですが、さまざまな中学校の生徒の話を聞くと「形式的」な所が多く、生徒が理解しているかどうかよりも、補習をやった、という既成事実があればよい、という雰囲気だそうです。実際、補習をした後に伸びた、という生徒はあまり聞かないのも事実です。

補習が生徒の役に立っているかどうかは…

「面倒見がいい」の恩恵を受けるためには自分から一歩前へ
 「面倒見がいい」は補習や追試の繰り返しということが多く、1学年が100人以下のような学校でない限り、一人一人にカスタマイズして対応してくれるわけではないようです。だからといって、手をこまねいていては仕方がないので、成績不振に陥った場合は、親御さんも背後から援護射撃してあげることも大切です。

 反抗期に入ってなかなか親の言うことなど聞き入れませんが、主要科目は学年に複数の先生がいるので聞きやすい先生にお願いして勉強をみてもらうなどの行動に出るよう子どもに促してみてください。確かに先生も方も忙しいですが、生徒に頼られて冷たくあしらう先生はほとんどいないと思います(蛇足ですが、その学校の正規の先生より、臨時採用の非常勤講師の先生の方が面倒見がいいような気がします)。

 なんとなく進学塾での先生との接し方に似ていますが、中学側が掲げる「面倒見がいい」もただ受け身でその“サービス”を待つのではなく、一歩前に出て最大限その恩恵を受けるようにしたいものです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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