中学受験・理科 公開模試で偏差値アップ(1)

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・理科は5年生終了時で大勢が決まる
・理科の試験時間はタイト やる順番が肝
・偏差値60以上なら配列順で 難問の飛ばし方
・理科が苦手な子は「生物」分野から取り組む

・「物理」分野は一番最後に

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★理科は5年生終了時で大勢が決まる
 「理科は終盤の追い込みがきく」という、中学受験の”言い伝え”のような言葉が今でも聞かれます。が、年々理科の出題がバラエティに富み、難易度も上がるにつれて、秋からの「追い込み」では、中堅校志望でも間に合わない、というのが現状です。

 もっと言ってしまえば、ある程度の形勢は5年生が終了時点で決まっていて、6年生の前半に力を入れて頑張った子が、秋以降「勝負できる」状態になっているのが精一杯で、夏休み頑張ったくらいでは、5年生まで後れを取っていた子が理科で偏差値を大きく上げることは難しいです。

 社会も同様ですが、理社は「追い込む」科目ではなく、「先行逃げ切り」の科目。秋以降は定期的に復習して、力をキープするのが、受験成功の王道なのです。

理社は先行逃げ切りが必勝の鉄則

理科の試験時間はタイト やる順番が肝
 そういう前提がある中で、9月以降の模試で理科の点数、偏差値とも少しでも上げて、モチベーションアップをしながら終盤へ進む試験の受け方を考えてみましょう。

 先述した通り、最近の理科の問題はバラエティに富んでいて、分量も多く、模試にしろ実際の入試にしろ、試験時間40分ではかなりタイトです。偏差値60以上の子でも「時間はいつもギリギリ。途中でリズムが崩れると終わらないときもある」といった感想を漏らします。

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 なので、模試を受ける際に、どの分野から取りかかれば得点の取りこぼしが少ないかを真っ先に気にしてください。やる順番によって、成績、偏差値は大きく変わってきます。

理科の試験時間はタイト

偏差値60以上なら配列順で 難問の飛ばし方
 問題冊子を開けて、まず大問の配列をページをすべてめくって確認します。実際の入試では「物理」「化学」「生物」「地学」の4分野から1単元ずつ、大問4つの構成がオーソドックスですが、模試などでは違うケースもあります。例えばサピックスオープンでは大問6題構成で、4分野から1つずつは出題されるものの、残り2つは毎回どの分野から出題されるか分かりません。

 理科に自信のある子は、大問1から順を追ってどんどん解いていって構いません。正確さとともにスピードも考えて。ここでの取りこぼしは痛手です。逆に着実に点を積み重ねれば、合格、偏差値アップは確実になります。

 偏差値60以上の子は基本的に「捨て問」はありません。ややこしい、やや難しめの問題にあたった場合、自分が解くための方針として2つ試しても、答えが出そうもない時は飛ばします。記号問題ならば、考えられる答えをとりあえず解答欄に記入し、問題の頭に自分で決めた印を付けて、時間が残れば立ち戻って考えるようにします。ハマってペースを崩すと、後々まで響きます。成績のいい、偏差値の高い子はテストを受けている時のリズムもいいです。

難問で足踏みより急がば回れ

理科が苦手な子は「生物」分野から取り組む
 では、偏差値50前後、あるいは下位に低迷している子は何から取りかかったら有効でしょうか。1つのやり方として「生物」分野から始めることをお勧めします。

 「生物」は圧倒的に覚えれば対応できる知識系の問題が多く、出題にクセの少ない無難な問題で締められているからです。もちろん、植物の単元で葉の蒸散作用などの計算問題もありますが、難問ではありません。このあたりから切り込んで、解くリズムをつかみます。もし、生物分野の大問が2つ出題されていたら、立て続けにやってしまいましょう。

 生物は塾での学習や一問一答式の問題集でも対応できますが、普段から図鑑に目を通しておくことが得点アップのカギです。図鑑を見る時間、と勉強時間のようにセッティングする必要はありませんが、休憩時間やおやつの時間にお菓子でも食べながら眺めるだけでも効果があります。

昆虫の顔などよく覚えておきましょう

「物理」分野は一番最後に
 次に取り組むのは「化学」分野か「地学」分野です。「物理」分野が得意、という子は2番目に持ってきても構いませんが、理科がそれほど得意でない場合、物理系が一番苦戦する傾向が強いです。「物理」を最後にというのがオーソドックスでしょう。

 次回は分野にかかわらず、ちょっとした手間で理科の成績が上がる2つのアプローチの仕方を紹介します。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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