【不合格体験記】1勝6敗 本当のワケ

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・「お試し」しか受からなかった 
 私はお兄ちゃんやお姉ちゃんと違う
・ 1勝6敗なのに“大成功”の中学受験 
・計算ずくで6回落ちた 
・子どもは口に出さないだけかも 

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★「お試し」しか受からなかった 
 マドカさんの中学受験の結果は1勝6敗。合格したのは1月に「お試し」と位置付けていた埼玉の中学校。親御さんの中ではあくまで「お試し」であって、進学先には考えていませんでした。 

 ただ、地元の公立中学校進学は「あり得ない」という考えだった親御さんは、この埼玉の中学への進学を渋々ながら認めるしかありませんでした。2月まで入学金の支払いを待ってくれたことで“行き先゛は確保できていたのです。 

 「なぜ、こんなことに…。分からない」お母さんは頭を抱えました。マドカさんには兄と姉がおり、それぞれが学校は違いますが、第1志望に進学。2人とも塾の勉強をベースに、難関有名大学出身のお母さんの伴走の下、独自のメソッドで合格を勝ち取ってきました。しかし、マドカさんにはこの「勝利の方程式」があてはまらなかった、という結果に終わったのです。 

私はお兄ちゃんやお姉ちゃんと違う
 3兄弟はサピックスに通塾、得意科目こそ違えど成績は大体同じで偏差値60超といったところ。兄と姉は「ややチャレンジ」に近い学校の合格を見事に果たしました。過去問演習の繰り返しと同時に、他校の問題などから類題を探し、演習の量をこなすことで入試本番で「逆転合格」するというのが、お母さんの手法でした。お母さん自身の大学受験での成功体験をベースにしたメソッドは、2人の子どもにも生かされ、連勝たのです。 

 マドカさんは“第1志望校”に偏差値にして2ポイント届いていませんでしたが「これくらいは射程距離」とばかり、お母さんは鉄板の独自メソッドでの勝利を確信していました。しかし、マドカさんはいつもこう思っていました。「私はお兄ちゃんやお姉ちゃんと違うの」。この気持ちは受験が終わるまでずっと抱き続けていたといいます。 

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★ 1勝6敗なのに“大成功”の中学受験 
 マドカさんは決して勉強ができないわけではありません。むしろ兄や姉よりものみ込みは早いかもしれません。しかし、どこかあっさりしていて模試の偏差値が下がっても、逆に上がっても感情をあらわにしません。極端な言い方をすれば「他人事」のようでした。 

 できないと悔しがる兄や姉とは正反対。兄も姉もどちらかと言うと勝気なお母さんともぶつかることはしょっちゅうでしたが、反応の薄いマドカさんには逆に肩透かしを食らっている感じで、「分かっているんだか、いないんだか」とお母さんも戸惑っていました。 

 それでも過去問の出来も悪くなく、合格最低点を上回ることが多かったため比較的穏やかな気持ちでいたお母さんですが、ふたを開けてみればまさかの1勝6敗。落胆するお母さんの姿を見て悪いことをしたとは思いつつも、マドカさんは正直ほっとしていました。「これでいいの。これが一番良かったの」。声には出さなかったものの、マドカさんにとっては1勝6敗は“大成功”の中学受験でした。 

★計算ずくで6回落ちた 
 現在、大学生になったマドカさんは当時のことをこう種明かしします。 

 「極端な言い方をすると計算ずくで6回落ちました。受験した学校は5校。2校は2回受けました。うーん、2校ぐらいはその気になれば合格できたと思います。でも、行きたくなかったんです、どの学校も。理由は2つあって、1つは勉強に追われたくなかったことですね。ギリギリで合格してもついていくのがやっとになりそうな中学は兄を見ていて嫌でした。勉強もするけど、中高を部活とかで楽しみたかった。青春したかった。2つ目は単純。満員電車が死ぬほど嫌だった。埼玉の学校だけだったんですよ、自宅から下りで行けるの。勉強でもここならあくせくしなくて済む。ここしかないと思いました」 

 マドカさんにとって有名校とか偏差値の高い学校とかはどうでもよく、“第1志望”はあくまで見せかけ。本当の第1志望こそ、お母さんが「お試し」と位置付けていた学校だったのです。

 最初から行きたくないと言えばよかったのに…。「母が納得するとは思えません。兄や姉と同じようにというのが前提ですから。結局、難関校に子どもを入れたという母親としての勲章が欲しかったのでしょう。兄や姉はそれに乗った、乗れたが正確かな。私は乗るのに抵抗があった。でも、正面切って反抗する勇気はなかった。もめるのも嫌だったし。入試であの結果は残酷なことをしたと思うけど、あのまま都内の学校行っていたら登校拒否とかになっていたと思う。私は兄や姉とは違う」 

子どもは口に出さないだけかも 
 マドカさんは中高6年間バレーボール部に入り、大学は第1志望に合格しました。学内での成績は「ほぼほぼトップ30には入っていましたが、ベストテンに入ったことはありませんでした。上には上がいました」「バレーボールはそこそこの強さ。楽しめました」。充実した6年間を振り返り「みんながみんなそうではないと思うけど、私にとっては最高の母校です」と笑顔で話してくれました。 

 「母のことは尊敬しています。不合格の後、しばらく落ち込んでいましたし、何か言いたげではありましたが、私が楽しそうにしているのを見ると勉強も部活も応援してくれました。本当のこと?言ってません。私が母親になった時にでも話しましょうか。そのころはもう時効でしょ。あれから中学受験のことはほとんど話さないけれど、もしかしたら気付いているかもしれない。母親ですからね。お見通しだけど、あえて言わないのかな」。 

 子どもは口に出さないだけで、本当はさまざまな思いを抱いているのです。親御さんの考えもあると思いますが、子どもの身になって視点を変えて中学受験を俯瞰してみるのも夏前に貴重なものになるかもしれません。 

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