中学受験 モノを言う親の2つの力

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「親御さんの後方支援」は中学受験の肝
「ウトい」親御さんは塾の「お客さん」
成績アップは仕事じゃない?進学塾の本質
親御さん必須 客観的分析力と外交能力
・とても残念な中学受験にしないために

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★中学受験もう1つの柱「親御さんの後方支援」
 連載ブログ「中学受験 偏差値が10上がるワケ 伸び悩むワケ」では、受験生の偏差値をアップするお手伝いをするだけでなく、「親御さんへの後方支援」がもう1本の柱です。

 偏差値アップへの学習のサポートの取り組み、勉強に前向きでない子どもへのアプローチの方法、塾と付き合い方、学校説明会の歩き方、そして親御さんのメンタル面でのサポートなど経験を交えながら展開しいていきたいと思います。

中学受験に「ウトい」親御さんは都合のいい「お客さん」
 「中学受験は親の受験」「中学受験は9割が親」とまで言われます。私は半分正解で、半分は違うと思います。主役はあくまで子ども、受験生です。親御さんがどう頑張っても、どんなに環境を整えても、子ども自身が真正面から挑まないと、扉は開きません。

 一方で中学受験参戦を決意した親御さんが、その世界にあまりにも「ウトい」、というのは残念でなりません。親御さんが受験について「知らない、分からない、関心ない」の三拍子揃いで、全てお任せ、ではお金だけ定期的に運んでくれる、教育産業にとって都合のいい「お客さん」になってしまいます。

塾のいい「カモ」にならないように

★多くの親御さんがはき違えている塾の本質
 「いつかは成績が上がって…」と思い描きつつ、その時は一向に訪れる気配もなく、塾で過ごした膨大な時間と費用の割には手応えを感じられないまま、入試当日、という流れは”お任せ家庭”の典型的なパターンです。

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 多くの親御さんは進学塾は「成績や偏差値を上げてくれて、志望中学校に合格させてくれる」ところという認識です。

 しかし、塾講師や家庭教師の経験があり、子どもの中学受験を体験した私から言わせれば、進学塾は「成績や偏差値を上げるための学習ノウハウを授業によって展開し、志望中学校に合格するために、保護者へ有益な情報と受験戦略立案ための資料を提供してくれる」ところというのが正しい認識です。

 塾のカリキュラム、情報、システムを十二分に利用し、家庭学習で学力を固めて偏差値を上げ、志望校に合格する。これが中学受験の特徴の一つです。

親が「分からな~い 塾にお任せ」では…

★親御さんに必要な客観的分析力と外交能力
 中学受験が「親の受験」と言われる本当の意味は、経済的なことは別にして、受験のカギを握る親御さんの客観的分析力、塾側との外交能力次第で結果は大きく変わってくる、ということなのです。

 「客観的分析力」とは、学習面で言えば、子どもの現時点での学力や成績を点数や偏差値といった表面に現れた数値だけでなく、塾で行う各種テストの答案やテキストの演習問題をノートなどにどう解いているかなどを分析し、今この子は何ができていて、何につまずいているのかなどを把握することです。メンタルや体調も含め、しっかり子どもの状態を観察、把握する力と言ってもいいでしょう。

 これを知ったうえで、親御さんが学習サポートすべきと判断した場合は、親が教える「親塾」など具体的行動に出ます。忘れてはならないのは客観性。つまりできないことにイライラし、感情を爆発させたりしないことです。わが子だとつい「どうしてそんなことが分からないの!」「何度言ったら分かるの!」「バカじゃないの」などの暴言を浴びせてしまいますが、百害あって何とかです。ミッション、仕事だと思って冷静に、どうすればより良い流れになるかだけを考えましょう。

親の客観的分析力が中学受験を左右する

 もう一つのは「外交能力」。子どもの学力を分析したうえで、塾の先生への質問、個別指導塾、家庭教師などに委ねた方がいいと判断したなら行動に移します。塾の先生への質問の場合、生徒が多すぎて質問のチャンスが限られている場合や子どもが性格的に質問へ行くのに二の足を踏んでしまう場合などは親御さんの出番です。先生へ電話するなり、宿題チェックをしてもらう際にメモを添えて見てもらえるようにお願いするなど、一歩前に踏み出してください

 塾の保護者会でも、普通に塾側の説明を聞くだけでなく、担当の先生をつかまえて、塾での様子や課題、学習面で気になっていることを取材します。場合によっては、アポを取って別日にじっくりということもあるでしょう。

 塾との「外交」だけでなく、学校説明会でもこの力は必須です。詳しくは別の機会に譲りますが、ママ友からの情報収集より、学校説明会などで自ら収集する情報がいかに子どもの受験をアシストするか、数多くの先輩親御さんが実証しています。

子どもが質問しやすいようにするのも大切

★残念な中学受験にしないために言いにくいことも指摘します
 同時に親御さんが気ばかり焦り、空回りして子どもの頑張りをサポートできなかったり、認識不足や独善的な思い込みで、思い描いていた中学受験とは大きくかけ離れた残念な結果に終わり、後悔する親御さんをこれまで何人も見てきました

 ここでは安易な励ましや希望的観測で筆を進めることはしないつもりです。言いにくいことも指摘しますので、「残念な親」にだけはなりたくない方、中学受験の初心者、あるいは「初心者以前」を自覚している方にお役に立てればと思っています。読むだけでなく、1つでも2つでも実践し、効果を上げて頂ければこの上ない喜びです。次回は再度偏差値について話を戻してお話ししようと思います。(受験デザイナー 池ノ内 潤)

 

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