中学受験 「合格体験記」のウラを読む

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秋が深まるにつれ手が伸びる「合格体験記」
「奇跡の合格」の読み方と使い方
合格体験記は“盛っている”
・本当の姿は合格体験記に書かない「塾にお任せ」
・我が子のオリジナルストーリーが一番ドラマチック

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秋が深まるにつれ手が伸びる「合格体験記」
 ウチの子は本当に第1志望に合格するのだろうか…。模試の合格判定に一喜一憂し、過去問の出来に腕組みをし、子どもの勉強態度にイライラし…。秋が深まるにつれて親御さんの不安は募るばかりです。

 そんな時、ふと手に取るのが塾から配布された「合格体験記」。前年度、同じ進学塾に通っていた先輩の喜びの声を集めた冊子には、各家庭の受験生のサクセスストーリーが数多く綴られています。

 冊子のページをめくっては、親御さんが食い入るように見つめる一角があります。“逆転合格”のいきさつが書かれている体験記に、この時期引き寄せられていくのです。

不安になるとページをめくる「合格体験記」

★「奇跡の合格」の読み方と使い方
 「模試の合格判定はほとんど20%以下でしたが第1志望に入れました」「偏差値は志望校に一度も届かないままでしたが合格しました」…。本場大逆転の合格話は特に釘付けになります。なかなか結果が出ない我が子の成績、偏差値にわらにもすがる思いで「共通するところはないかしら」とむさぼるように読みふけります。

 実際「まず合格しない」という成績の状態から逆転合格した、という割合がどの程度いるかは分かりませんが、「レアケース」なのは間違いありません。スポーツでも「奇跡」や「番狂わせ」はしょっちゅう起こるものでないから、話題になり、語り継がれるのです。受験においても同じ。多くは普段の成績通り、ほぼ順当な結果になります。奇跡の背景には、それなりの勉強の積み重ねがあり、それが入試に間に合ったと解釈すべきでしょう。入試当日、突然“受験の神、降臨”などということはありません。

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入試当日、突然「力」は宿りません

合格体験記は“盛っている”
 しかも奇跡の合格の類の体験記、話半分で受け止めていた方がいいと思います。内容を少し面白く、ドラマチックにしようと“盛っている”場合が多々あります。

 まあ、6分4分で合格するだろうという予想の下、長い受験勉強の間には1度や2度ひどい成績で落ち込んだこともあったでしょうが、いつもではないはず。このダメダメだった時のことを“盛って”、合格体験記を“ショーアップ”しています。ドラマではありませんが「事実を基にしたフィクション」のときもあるので要注意です。

「ネタを盛っている」合格体験記

本当の姿は合格体験記に書かない「塾にお任せ」
 「勉強は塾にお任せで、家庭では健康管理だけに気をつかいました」。こう書かれた難関校合格の体験記もよくあります。確かにそうなのでしょう。親がやいのやいの言わなくても、机に向かってやるべきことをやって、受かるべくして受かった文句のつけようのない小学6年生も皆無ではありません。が、このような体験記も「本当の姿」は結構隠されています。

 程度の差はあるものの、親子のバトルは当然あったはずだし、親御さんは子どもの学習状況について付かず離れずという距離感は保ちつつも、観察を怠らなかったと思います。それに親御さんが深く受験勉強に関わって、子どもを引っ張ってきたとしても「今回の合格は、子どもも頑張りましたが、それ以上に親の頑張りがあったからです」と書く人はまずいません。

 子どもの学習に関知しなくても、中学受験は大丈夫なんだ、と安易に判断しないでください。「できる子」「理想的な受験成功談」は、これも話半分ぐらいの認識で。多くの家庭が大なり小なり七転八倒しながら、合格というゴールに何とか転がり込んだというのが実際のところだと思います。

合格体験記から本当の姿を見抜きましょう

我が子のオリジナルストーリーが一番ドラマチック
 最後まで諦めない、成績は直前まで伸びると信じて努力し、「合格体験記」を読み返しては奮起する、というのなら心のよりどころとして大いに活用してほしいです。しかし、合格体験記を真に受けてやることもやらずに神頼みなら、まったく意味がありません。

 合格体験記は、おやつでも食べながら「ふーん、そうなんだ」くらいの気持ちで読むのがちょうどいいと思います。どんなに劇的な話があったとしても、所詮他人様のお話。参考やヒントになることはありますが、ほどほどに。我が子のオリジナルストーリーが、一番ドラマチックです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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