中学受験 志望校は安易に変更すべきではない

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安易な受験校変更は得策ではない
・モチベーション維持 第1志望は変更しない
・親御さんの“勉強”が如実に表れる受験プランの策定
1月の「前受け校」追加のポイント
・午前・午後入試 どちらか「勇気ある撤退」も有効

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★安易な受験校変更は得策ではない
 受験する中学校のラインナップは決まりましたか。今回は新型コロナウイルスの感染拡大によって、思うように学校研究ができなかったと思います。その点では例年と同じように進まないこともありますが、限られた手段の中でもそれぞれ親御さんと受験生が長い時間をかけて決めた受験校は安易に変更しない方が得策です。

 持ち偏差値、模試での合格判定によってさまざまな“可能性”を模索するのは仕方ないと思います。しかし、一度いじりだすと、他の学校の受験にも影響を及ぼす可能性もあります。揺れる気持ちは分かりますが、この時期の大きな受験プランの変更はお勧めできません。

安易な変更はしない方が良い

★モチベーション維持 第1志望は変更しない
 お勧めできないケースとして、安全校ばかりを受けるパータンが挙げられます。第1志望が模試の判定結果などで20%以下が続いたとします。確かに合格する可能性は極めて低いと言わざるを得ません。しかし、11月から12月中旬ぐらいまで考えに考えて、子どもがどうしても諦めきれずに第1志望受験を決めたのなら、突き進むべきです。

 結果がどうこうより、モチベーションの問題です。子どもが「ここを受験したい」という意志があれば、親御さんはそれを一番に尊重すべきです。これは親御さんの中学受験ではなく、子ども自身の中学受験だからです。ここで合格の可能性が低いからと、親御さんが手を引かせたりすると、張り詰めていた糸が緩むように、受験全体へのいい緊張感がなくなります。

受験はモチベーションが第一、火を絶やしてはいけない

★親御さんの“勉強”が如実に表れる受験プランの策定
 大人は先を見通せるため、客観的に子どもの実力と志望校の難度の高さを比較検討して出される結果を推測してしまいますが、一度受験すると決めた第1志望校だけは結果が火を見るより明らかでも受けさせてあげてください。夢破れることを早くから身をもって体験することも子供には必要な人生経験です。

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 そのために第2志望以下の受験プランを練りに練ってきたのです。夢は破れても、再スタートを切れる土壌は用意しておかなければなりません。実力的にも相応で、大切な中学高校の6年間を託せる学校を見つけるのが、親御さんのここまでの任務だったのです。その戦略立案こそが親御さんの腕の見せどころです。子どもばかりに頑張れ、勉強しろ、と言わずに、親御さんが水面下で「中学受験を勉強」してきたかどうかの差は、受験プランに如実に表れます。

中学受験を勉強した親御さんとそうでない親御さんの差は戦略に表れる

★1月の「前受け校」追加のポイント
 1月の「前受け校」を増やすのと2月の午前・午後受験のダブルヘッダーをどちらか減らすのは「あり」だと思います。

 前受け受験は、もともと何校出願しているかにもよりますが、2月に上位の志望校がある場合は少なくとも2校、できれば3校程度の受験をお勧めします。前回も書いたように、入試というのはどのレベルの学校であれ、最高の舞台です。ここでしか体験できないものばかりが凝縮されています。これを複数回経験することによって、2月の入試を冷静に比較的平常心で受けられるようになります。

 受験校を増やす場合は、あくまで2月への布石と位置付けるので、合格判定、持ち偏差値から見てまず「勝てる」ところを選んでください。模擬試験代わりにと2月の本命校と偏差値的に相応の学校などは避けるべきです。万が一の場合があると、受験生に動揺を与えます。受験で一番怖いのは流れを断ち切ってしまうことです。

志望校の変更、追加、削減は熟慮の上で

★午前・午後入試 どちらか「勇気ある撤退」も有効
 2月の受験スケジュールを見直すことも必要な場合は、午前・午後と1日2回の試験を予定しているケースです。

 1日2つの入試というのは子どもにとって、大人が思う以上に負担です。できれば1日1回にしたいところです。翌日午前に入試が予定されている場合はなおさらです。ほかに「抑え」として受ける学校があるのならば、もう一度再検討して、午前・午後のどちらかから「勇気ある撤退」をするのも受験戦略としては有効だと思います。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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