偏差値28 から大学附属へ 「入門はこれでいく」
偏差値28からの大学附属合格 第3回
「入門はこれでいくか」
大学受験ほどではないにしても、高校受験よりも充実していそうな中学受験参考書コーナー。オレンジ色をベースにした各中学校の過去問集、通称「赤本」が中央に陣取り、その色鮮やかさが目を引きました。
初めて足を踏み入れた世界に、五郎は借りてきた猫のように、少々腰が引けてましたが、恐る恐る参考書を手に取ると、中身を眺め始めました。どこまで分かってるのか…、読んでもほとんどわかっていないと思いますが、「下から2、3番目」というのが余程衝撃だったのでしょう。表情だけは真剣でした。
親世代にもなじみがある「自由自在」シリーズ、「受験算数の裏ワザテクニック」(文英堂)なんて“誘ってくる”タイトルの本も。業界で「ひとり勝ち」といわれるサピックスが発行している理科と社会の「コアプラス」は一問一答形式で学習のチェックには良さそう――。どれも購入しただけで頭が良くなりそうな雰囲気を醸し出しており、すべて欲しくなってしまいました。
しかし、購入したのは「小学漢字1026字の正しい書き方」(旺文社)、「漢字マスター一〇九五題 4年」「同5年」(日能研ブックス)の3冊のみ。どれもいい参考書なのですが、各科目ごとに中学受験全体を「薄く広く」網羅したものが見当たらなかったというのと、柱となるものを決めて足りないものを補うのに参考書を活用しようと方針を決めたからです。
「やはり、入門はこれでいくか」「そうだね。まずはここから」。市販の参考書のラインナップをざっと見渡した後、帰り道に夫婦であらかじめ一致していたテキストをベースに五郎の受験勉強をスタートする決意しました。
メインテキストに選んだのは四谷大塚の「予習シリーズ」。オーソドックスですが、塾なしでの中受参戦、まずは道しるべ的な役割をしてくれる勉強のしっかりした柱となる教材を用意しないと始まらないと思いました。