夏期講習は“つまみ食い”

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中学受験の窓口 今日のメニュー 
「相性」を体感する夏期講習 
目安は子どもの報告スタイルで判断 
子どもの言う「塾は楽しい」を見極める 
最後は親御さんが足を運んで 
・「座席確保」より「つまみ食い」 
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★「相性」を体感する夏期講習 
中学受験は子どもと進学塾との「相性」が大きく影響します。合格実績が飛び抜けて良い塾でも、それは他人様の結果であって、我が子の結果ではなく、多くの人がその塾の恩恵を預かったからといって、我が子が同じようになるとは限りません。そういう意味で、遅くとも受験の態勢に本格的に入る5年生までに「ここで勝負する」という塾を決めるのが、重要になってきます。 

 知名度や合格実績という表面的なものでなく、実際に「味見」をして「相性」を調べたいところ。その意味で夏期講習は絶好の機会。気になる塾を1つ、時間が許せば複数回って「相性」を肌で感じてほしいと思います。
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★目安は子どもの報告スタイルで判断 
 入塾試験があるところも多いのですが、夏期講習は外部生が比較的受けやすいシステムです。ただ夏期講習用のプログラムというより、通塾生のカリキュラムの延長としてスケジュールが組まれていることが多いので、途中参加という形になってしまいます。ペースがつかみづらいかもしれませんが、塾の先生もそこは配慮してくれて、いろいろ目をかけてくれると思います。その対応次第で入塾する可能性があるわけですから。 

 授業から知識を得るというより、あくまでも目的は塾との「相性」をみること。校舎、クラスの雰囲気、先生の授業の進め方、テキストの構成、そして自分がここに入ったときに楽しく授業に「参加」できそうかどうか、1回の体験授業ではなく、まとまった日数を通うことで子どもが肌で感じてきたことを親御さんはよくヒアリングしてあげてください。 

 “誘導尋問”しないようだと、言葉が出てこないような場合は「保留」、自分からいろいろしゃべってくるようなら「候補」として残るというのが1つの目安でしょう。子どもの報告スタイルである程度の「相性」は計れます。 

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★子どもの言う「塾は楽しい」を見極める 
 ただし、気を付けてほしいのは子どもが言う「塾、楽しいよ!」です。好奇心をかき立てる、刺激のある授業を楽しいと言っているのか、同じクラスのお友達との交流を楽しいと言っているのか、きちんと見極める必要があります。 

 後者の楽しいは子どもにとってはいいかもしれませんが、中学受験では成績横ばい、停滞の主要因になります。もちろん全員がライバルで敵対視するぐらいでないと中学受験は勝てない、などとは言いません。塾内の友達は必要です。しかし、あくまで中学受験という同じ目的に向かって頑張っている「同志」としてであって、遊び友達ではありません。 

 塾は遊びで行っているのではない、というけじめを付ける意味で子どもの言う「楽しい」の中身を見分けるのは親御さんの役目です。 

最後は親御さんが足を運んで 
 最後は親御さんが塾側の話をじっくり聞き、どこに任せるかを決めます。授業方針や質問の対応状況、小テストの有無や家庭学習、塾との日ごろの連携など、さまざまな角度から質問してみましょう。できれば複数の塾へ足を運んで、同じ質問をしてください。違いがはっきりしてきます。 

 個人的にはテキストと質問対応が最重要と考えています。先生が良くてもこの世界は異動も頻繁にあるので、最後まで面倒を見てもらえる保証は全くありません。しかし、学びのベースとなるテキストがしっかりしていれば、自主学習の際に有益ですし、そこから大きくそれた教え方もしないと考えられます。 

 質問対応はまた機会を設けて書きますが、中学受験の生命線の1つです。この対応がお粗末な場合は、あまりお勧めできません。 

★「座席確保」より「つまみ食い」 
 最近は「座席確保」のために3年生から、もっと競争が激しいところは1年生から入塾し、入塾段階で試験が受けられないという状態を回避する傾向が東京都内の一部で見られます。しかし、合格実績だけであとはあまり考えずに入れているという雰囲気で、それが6年生での受験成功につながるかは、全くの未知数です。 

 塾との「相性」が悪いと元来ポテンシャル(能力)が高いにもかかわらず、それを十分発揮できないまま、不完全燃焼の中学受験で終わってしまうのはあまりにも残念です。そうならないためにも、中学受験の「はじめの一歩」は間違えたくありません。「座席確保」以上に、進学塾の“つまみ食い”は、受験の流れを決めます。「早くしないと席が埋まってしまいます」という塾側の“脅し”に負けず、じっくりと吟味してください。(受験デザイナー・池ノ内潤) 
 

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