【参考書はこう使う】きょうこ先生のはじめまして受験算数

+1

中学受験の窓口 今回のメニュー
「算数が苦手」「中堅校狙い」の入門書的な一冊
理解が早くない子や予習に嬉しい映像授業アリ
算数苦手な子授業でのパターン
「手を動かす」次に「説明する」で苦手克服
・女子校でも盛んな「算数一科目入試」
・中高一貫校はなぜ算数が得意な子がほしいのか

大学進学も“算数”がキーに
4、5年生向きも6年の早い段階でやるのもおすすめ

スポンサーリンク

「算数が苦手」「中堅校狙い」の入門書的な一冊
 2014年に初版が発行された「きょうこ先生のはじめまして受験算数 数・割合と比・速さ編」(朝日学生新聞社、1500円、税別)は、「時給2万円、3年待ちの家庭教師」として多数の中学受験関連本も出版している、算数教育家で中学受験専門カウンセラーの安浪京子さんによる、受験算数の入門書的な一冊です。

 この本のターゲットは算数につまずいている子や偏差値レベルでいう「中堅校」を目指す子。確かに冊子を開くと、各単元の導入部分を丁寧に説明しているのがよく分かります。特に充実しているのが「学習のポイント」として例示されている「QA」。市販の参考書の多くは、簡単な例題を1つむ2つ示した後、練習問題を羅列、解説も薄い冊子にまとめられ、苦手な子を挫折させるかのような編集が目立ちますが、「はじめまして――」は、中堅校や一般校でよく出題される「典型題」の初歩のパターン問題をかみくだいて説明しているところが素晴らしいです。

人気の安浪先生の著書は分かりやすい

理解が早くない子や予習に嬉しい映像授業アリ
 まさに “痒い所に手が届く”といった方針が貫かれています。家庭教師として、算数が苦手な子をたくさん見てきた経験が生きています。できない子の”つまずきポイント”の標本のようでもあります。

 さらにこのテキストを基にした映像授業が見られるのも、算数が苦手な生徒には嬉しい限りです。各単元ごとにユーチューブにアップされていて、無料で見られます。

 映像授業のいいところは、繰り返し再生できること。理解できなければ、何度でもプレイバックできますし、一時停止して内容を整理しながら少しずつ進むことも可能です。算数の理解が決して早くない子や予習をして塾の授業に臨みたい子には最適です。

スポンサーリンク
映像授業は子どものペースでできる

★算数苦手な子授業でのパターン
 算数が苦手で成績、偏差値の上がらない子の多くは、1つのパターンがあります。自分の頭の中で授業の中身が消化されないまま、授業がどんどん進み、しまいにはそのスピードについていけず「もういいや」と投げ出してしまうという「できない仕組み」に陥っているパターンです。

 子どもって、大人の説明する言葉が、こちらが思っている以上に難しく感じるものなのです。先生が丁寧に説明しているつもりでも、生徒はついてこれない…。教えるって、難しいですね。

 塾の授業中「ちょっと待って、もう1回説明して」と言う勇気は、子どもになかなかありません(言えるような子は確実に成績、偏差値とも伸びますが…)。ユーチューブなら気兼ねなく“授業を止める”ことができます。

算数の授業についていけないのはつらい

「手を動かす」次に「説明する」で苦手克服
 眺めるだけでなく、実際に手を動かして自分でも問題を考えて、解いてみましょう。まず簡単な問題でも、「解答の型」を確実に再現できるようになることが苦手克服の第一歩です。

 最初は解答を「写している」ような状態でしょう。それで終わっては何も身に付きませんが、書くことによって「そうか、そうだったのか」など気付きを促すきっかけになればOK。ただ写して、できた!と子どもが思わぬよう、親御さんも付き合ってあげるのがベスト。「お母さんに教えて」と子どもに先生になってもらいましょう。これ、算数の成績アップに有効です。

子どもに先生役はどの教科でも成績アップにつながる

女子校でも盛んな「算数一科目入試」
 低学年のうちからどんな問題でも素早く、バリバリ解いてしまう”算数小僧”もいれば、「どうも算数はニガテ」と、同じ学年同士でも算数の出来の差は他の科目より大きい気がします。

 中学受験の命運を握るのは算数、算数ができないと難関校は合格しない、など入試での配点が国語と同じことが多いにもかかわらず、算数は格付けが一段上に位置付けられています。最近は「算数一科目入試」を導入する中学も男子校に限らず、品川女子学院や大妻中野が2018年から導入し、20年からは田園調布学園なども参入に踏み切りました。

リケジョは今後も増える傾向

中高一貫校はなぜ算数が得意な子がほしいのか
 背景には、算数(数学)が得意な子は、物事を論理的に考えて、筋道を立てて問題解決にあたり、結果(答え)を出す能力が優れていると、中学校側は判断しているからです。

 今後、社会で求められる人材はまさに問題解決力のある人材で、その素養のある「算数の出来る子」が中学校側の求めている生徒なのです。もっとぶっちゃけの見方をすれば、そういう生徒が難関大学に合格し、学校の「進学実績」の評判を高めてくれるからです。

中高一貫校は大学合格実績を気にする

大学進学も“算数”がキーに
 親御さんが子どもの進学先を選ぶ場合、「校風」を挙げる場合が多いのですが、偏差値同様、進学実績にも必ず目がいきます。東大や京大をはじめ、国公立大学や医学部、私大なら早稲田、慶應にどれだけ合格しているのか、このあたりに注目すると思います。

 国立、医学部はもとより早慶も数学がカギを握る入試が積極的に展開されています。詳細は別の機会に譲りますが、私大文系で偏差値トップに君臨する早稲田の政治経済学部(政経)も2021年入試から数学入試が必須科目として導入されます。算数、数学に苦しむと、大学入試で後手に回り、社会でこれから求められるニーズに対応できなくなる可能性もはらんでいるのです。

早稲田の政経も数学必須に

★4、5年生向きも6年の早い段階でやるのもおすすめ
 さて、「はじめまして――」には「図形・場合の数編」もあります。この参考書、主に4、5年生向きですが、6年生が早い段階でやるのもおすすめです。6年夏以降も基礎が不安定なら、思い切って立ち戻ってやってみるのもありです。中堅校なら応用より、基礎徹底で道は開けます。(受験デザイナー 池ノ内潤)

Follow me!

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です