“新生”桐蔭学園の向かう先

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・スポーツの桐蔭 かつては東大合格3桁校 
21世紀の潮流に乗れなかったマンモス進学校 
「東大合格と甲子園出場したヤツだけ」 
・変革に舵を切る 難関大合格より大切なもの   
新しい桐蔭学園の “化学反応”に期待 

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★スポーツの桐蔭 かつては東大合格3桁校 
 横浜市青葉区にある桐蔭学園。最近では全国大会で何度も優勝しているラグビー部を筆頭に、甲子園で1度全国制覇を成し遂げた野球部、全国大会常連のサッカー部など、高校スポーツ界でその名がとどかせています。 

 学業の面でもかつては東大合格者数で常にベストテンに名を連ね、1989年(平成元年)に65人合格で8位にランクインして以来、94年の114人をピークに10年連続でトップ10に君臨しました。中学受験をする親御さんの中高生時代は桐蔭学園と言えば「文武両道」の代名詞的存在だったと思います。 
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かつては東大合格者数全国屈指だった桐蔭学園

★“血統”は絶えずも様相一変
 しかし、その後様相は一変しました。2019年には推薦での合格者1人のみ。20年はとうとう合格者ゼロとなりました。01年に開学した「桐蔭学園中等教育学校」含めた「桐蔭学園グループ」としては、東大合格者数を輩出(20年5人、21年4人)しており“血統”は絶えていませんでしたし、21年には桐蔭学園からも1人合格者が出て“復活”しましたが、これだけ極端に進学実績の様相が下降線をたどり、一変してしまう学校は私立では類を見ません。 

 最大の原因は「少人数で面倒見が良い」という21世紀の潮流に合わなくなったことが挙げられます。かつて学園を引っ張ていた、初代校長であり、2007年に87歳で亡くなるまで理事長だった鵜川昇氏の手腕により徹底した能力別クラス編成による受験指導と1学年1600人という数で質を担保していたのが、20世紀の桐蔭学園でした。 

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 進学塾のごとく成績順でのクラス編成や徹底した管理教育は有名で、OBの中には「桐蔭に行って良かったと思っているのは、東大に入ったやつと甲子園に行ったやつだけ」とまで言って母校に愛着が持てない様子でした。 

 マンモス校で最寄駅からは満員のバスに揺られて…というスタイルも時代とともに受け入れられなくなり、同時期に同じ横浜市の聖光学院が支持されるようになったり、他の私立も進学校化を図ることによって、その存在価値は特別なのでなくなったことは否めません。 

★変革に舵を切る 難関大合格より大切なもの 
 今、桐蔭学園は変革に舵を切っています。19年をもって中学入学を中等教育学校1本に絞り、桐蔭学園は高校からの募集へと切り替わりました。中高一貫教育としての大学進学実績は今後、中等教育学校が桐蔭グループの代表になります。 

 語弊はありますが、マンモス校の“数撃てば…”という方針からも脱却。中等教育学校の募集人員は現在約200人とし、「新しい進学校のカタチ」を目指して、難関大学合格が目標ではなく、一人一人に合わせた多様性のある6年間を過ごせる学習環境の提供に努めています。

★留学は当たり前の雰囲気
 個人を見つめる姿勢は授業後によく表れており、英語や数学では、学力レベルにあわせたクラス編成にして授業についていけない子を極力出さないようにしています。是が非でも難関校、というプレッシャーはなく、試験前には集中的に各教科の先生が個々をサポートをしてくれます。  

 難関大学へ進むこと以上に英語教育に重点を置いており、留学は短期を含めて高校生では当たり前の雰囲気。高校では長期留学の提携高校があり、留年や休学をせずに入学で取得した単位がそのまま認められており、一度外へと飛び出して貴重な体験をして桐蔭に戻ってきます。 

 ★新しい桐蔭学園の “化学反応”に期待 
 勉強も厳しければ、校則も厳しかった桐蔭ですが、中等教育学校に子どもを通わせてる親御さんの話を聞くと「全然厳しくない。もうちょっと締めてもいいくらい」という言葉が返ってきます。長く男女別学でしたが共学となり、付属小学校からの内進生に帰国子女や両親のどちらかが外国の方という場合もあり、中学入学時のクラス編成はバラエティーに富んだ個性が集まります。 

 さまざまな個性が交わることによって起こる“化学反応”がどういうものを生み出すのか、新しい桐蔭学園に注目が集まります。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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